愛知県東海市に本社を置くメーカー「愛知製鋼」の元幹部2人が、会社の秘密情報を漏らした罪に問われていた裁判で、名古屋地裁は18日、無罪を言い渡しました。

 愛知製鋼の元専務・本蔵義信被告(71)と元部長の菊池永喜被告(68)は2013年、「MIセンサ」と呼ばれる高感度磁気センサーの製造に関する秘密情報を、取引先の社員に漏らした罪に問われていました。

 裁判では、2人が漏らした情報が営業上の秘密に当たるかが争点となり、検察側は「独自の技術情報である」などとして、本蔵被告に懲役3年、菊池被告に懲役2年を求刑。

 弁護側は「営業秘密ではない」として無罪判決を求めていました。

 18日の判決で名古屋地裁は、2人が漏らした情報について「ありふれた方法を単に組み合わせたものにとどまり、営業秘密を開示したとは言えない」などとして、2人に無罪を言い渡しました。

本蔵さん:
「5年間の裁判で、やはり判決を聞くまでは『さぁどうかな』と心配はあったんですけども、裁判所が勇気をもって無罪判決を出してくれたので、安心しております」

 判決を受け、愛知製鋼は「違法行為として判断されなかったことは誠に残念です」とコメントしています。