三菱UFJリサーチ&コンサルティングの塚田裕昭主任研究員によると、対ドル、対ユーロとも円安が進んでいる理由は同じだといいます。

「円とドル、円とユーロの金利差が広がっていることにマーケットの関心が集まり、円が売られてドル・ユーロが買われている」と話します。

 日銀は引き続き低金利を維持しようとしているため、金利差は開く傾向にあるとしています。

 そうなってくると、さらに円安が進む可能性があり、1ユーロの物を買う時に払う円の額が上がるということになります。

 EUからの輸入構造をグラフにすると、多いのは化学製品=薬など。自動車、肉類などの食料品は比較的高いシェアを占めています。

 こうした輸入品の価格が上がると、私たち消費者の手元に届く頃には、また値上げになるのでしょうか。

 塚田さんによると、世界からの輸入でユーロ建て比率は小さく「ドル高」に比べると影響は少ないということですが、「特にヨーロッパからの輸入食材を扱う外食での値上げが考えられるが、物価全般が上昇し光熱費なども上がると、どのジャンルでも上がる可能性はある」といいます。

 エネルギー価格、原材料価格の上昇に、対ドル・対ユーロの円安が加わった今の状況、様々な分野でじわじわと値上げが進んでいるとしています。