
8年前、戦後最悪の噴火災害となった御嶽山の噴火について、噴火警戒レベルの引き上げを怠ったとして、遺族らが国と長野県に損害賠償を求めていた裁判の判決が13日、ありました。裁判所は引き上げなかった判断は違法としながらも、請求を棄却しました。
2014年、長野県と岐阜県にまたがる御嶽山が噴火し、58人が死亡、5人が行方不明となり、戦後最悪の噴火災害となりました。
3年後の2017年、一部の遺族とケガをした人の合わせて32人が提訴。「気象庁が噴火警戒レベルの引き上げを怠り被災した」などとして、国と長野県に対し、合わせて3億7600万円の損害賠償を求めていました。
国側は「警戒レベルの据え置きは総合的な判断」などと反論し、訴えを退けるよう主張していました。
そして迎えた13日の判決、長野地裁松本支部には遺族らが集まり、国などに損害賠償を求めた訴訟に判決が下されました。
長野地裁松本支部は警戒レベルについては、「注意義務を尽くしたとはいえず、漫然と据え置いた判断は著しく合理性に欠け違法」と指摘しました。
一方で、警戒レベルを引き上げたとしても、立ち入り規制などの措置に時間がかかることなどから「死亡または負傷の被害が生じなかったと認めることは困難」などとして、原告側の請求を棄却しました。
遺族の長山さん:
「遺族としては無念であり、残念なことだと思います。思いとしては(噴火警戒を)レベル2に上げて欲しかった」
根岸弁護士:
「残念な判決ではあるけれども、我々の主張が違法だと認められたこと自体は大きな成果だと思います」