「第7波」の拡大で、救急患者の受け入れ先が見つからない事態が起きています。

 119番通報に対応する名古屋市の防災指令センター。コロナ患者の急増などで救急車の出動が増えています。

通報者:
「1週間前から体調が悪くて、熱が37.9度ある。のどの痛みと咳が止まらない」

職員:
「周りでコロナに感染された方はいないですか?」

通報者:
「いないです」

 通報者は44歳の女性。1週間前からのどの痛みなどがあり、18日朝に発熱。コロナの疑いがあります。

職員:
「いま救急車もう手配してありますので」

 自宅療養中の高齢女性(86)の経過観察をしていた保健センターからも、通報が入りました。

職員:
「中川救急隊の方なんですけれども、コロナ陽性の方の対応になりますので、連絡の方よろしくお願いします」

 この患者は搬送先の病院がすぐに決まりましたが、なかなか見つからないケースもあります。

「救急搬送困難事案」。救急車到着から出発までに30分以上かかり、患者を受け入れる病院などが見つかるまで、救急隊が4回以上問い合わせるケースを指します。

 8月8日からの1週間では過去最多となる273件を更新。第6波のピーク209件を大きく上回りました。

名古屋市消防局の救急係長:
「第7波に入ってからですと、現場に着いてから現場を出発するまで160分の時間を要して搬送している事案や、38回病院に連絡してようやく見つかって、ということも発生しております」

 熱中症患者も増える夏場に重なったコロナの第7波。長引く感染拡大で7月下旬以降、非常用を含む62台の救急車が毎日のようにフル稼働しています。

名古屋市消防局の救急係長:
「かなり厳しい状況で、救急需要がすごく高まっているんですけれども。今後も(感染者が)さらにまた増えた場合でも対応できるような態勢をとっていきたい」