22日、名古屋高速で大型バスが横転して炎上し9人が死傷した事故で、バスは直前に数百メートルに渡って不安定な走行を繰り返していたことが新たにわかりました。何が起こっていたのでしょうか。

 名古屋高速・小牧線で22日、県営名古屋空港に向う路線バスが横転して炎上した事故では、乗客の男性とバスの運転手・大橋義彦さん(55)とみられる2人が死亡したほか、後続車の運転手を含む男性7人がケガをしました。

 事故から2日、事故直前の様子が徐々に明らかになってきました。

 捜査関係者によりますと、バスは当初2車線のうち右側の車線を走行。しかし、事故現場の数100メートル手前から左に膨らみ白い境界線をまたいで走る様子が、後続の車のドライブレコーダーに映っていたといいます。

 バスはその後、「豊山南」の出口へ向かう車線に入ると再び左側へ。不安定な走行を繰り返したバスは、制限速度の時速60キロ前後で分離帯に衝突したとみられています。

 事故のおよそ40分前、県営名古屋空港を出発し、名古屋・栄のバス停などを経由して再び空港へ向かっていたバス。

 事故の20分ほど前、名古屋市東区の「東新町北」の交差点を映した防犯カメラに、事故を起こしたバスとみられる車両が映っていました。

 栄のバス停方向へと交差点に進入し、右折待ちするバス。その後、ゆっくりと右折していきますが、この時の様子には異常はないようにみられます。

 しかしこのわずか20分ほど後、バスは名古屋高速で不安定な走行を繰り返していました。

あおい交通野口営業所の運行主任:
「医師の所見では異常なしといただいております。元々この運転手は酒の飲めない体質でございまして」

 バスの運行会社によれば、運転手の大橋さんは酒は飲まず、2022年4月の健康診断でも異常はなかったといいます。

 警察は、大橋さんの体調に突然何らかの異変が起きた可能性もあるとみて、調べています。