
年々「子供の視力低下」が進んでいますが、コロナ禍で視力が悪い子供がさらに増えています。愛知県大府市は家庭でできる近視予防のプロジェクトを始めています。予防に取り組む親子を取材しました。
夏休みの夕方、眼科クリニックを訪れると沢山の子供の姿が…。
院長:
「残念だけど、ちょっと近視が始まっています」
診察を受けた中学1年の男子生徒(12)は、思い当たる節があるといいます。
中学1年の男子生徒:
「たぶん電子機器の使いすぎ。(コロナで)友達の家に行くことができなくて、友達と遠距離でゲームする」
ほかにも…。
小学3年の男子児童:
「Switchを始めたら悪くなった」
小学2年の女子児童の母:
「iPadをたくさん見ているので、ゲームもやるし、そのまま学習もやるし」
院長:
「ステイホームの間、お子さんたちが何をやるかといいますと、ゲームをしたり本を読んだりテレビを観たり、近くを見る時間が長かったせいなのか、急激に視力の低下を訴える患者さんたちが、コロナの影響で多くなっています」
文部科学省の調査によると、「裸眼視力1.0未満」の子供の割合は年々増加しています。2021年度、中学生は60.28%と過去最多を記録。小学生も2020年度に過去最多となっていて、コロナ禍の「ステイホーム」が拍車を掛けている可能性も考えられます。
愛知県大府市に暮らす小学1年の森詩央里ちゃん(7)は、今ある取り組みに参加しています。
母:
「入学前検診で(視力)判定が少し悪くて『眼科に行ってください』と言われた」
父:
「小学校からもらってきた参加プロジェクトで」
その名も「子どもの近視予防プロジェクト」。大府市が、市内の小学生の視力が全国平均より低いことを受けて始まり、親子100組が参加。家庭で「目にやさしい生活習慣づくり」を行い、近視の予防を図ります。
詩央里ちゃんは入学前の検診でB判定だったため、プロジェクトに参加することに。その1日を見せてもらいました。
■1日2時間は外に出よう!
詩央里ちゃん:
「パパ〜何回やったか数えて」
縄跳びに、シャボン玉。これも近視の進行を予防する習慣のひとつです。
プロジェクトを監修する名古屋大学病院の野々部医師:
「太陽光を浴びるということが非常に重要です。特定の波長が近視の進行抑制に関係があるのではないかと」
アメリカの研究で、1日あたり2時間屋外で太陽の光を浴びることで、近視の進行を抑える効果があることが判明しているといいます。
野々部医師:
「日陰であっても、近視進行抑制に必要な照度は得られる」
森さんの家でも、雨の日や暑い日にはベランダで本を読むなど、楽しく工夫していました。
■20~30分に1回は目を休めよう!
家に帰ると、お気に入りのゲームを始めた詩央里ちゃん。すると母・恵さんが…。
母:
「しーちゃん、ゲームするならタイマーして!」
ゲームやタブレット学習をする際は、タイマーで時間管理をします。
野々部医師:
「目って近くを見るときに非常に緊張していますので、それを少し遠くを見ることで、緊張を緩めてあげてリセットする」
■ぐっすりよく眠ろう!
夏休みでも早寝早起き。視力と睡眠時間に直接的な因果関係は認められていませんが、目をゆっくり休めて、疲れをとります。
母:
「1年生の子にもわかりやすいルールだったので、やりがいをもって取り組んでくれている。達成できるように頑張って歩いてスーパーに行こうかとか、そういう工夫をするっていうのも楽しみのひとつになっているので、結果的に色々なことがよかったかなと思っています」