
静岡県の幼稚園で起きた置き去り事件。どうしたら置き去りを防げるのか。そのための1つの手段として名古屋の会社がアプリを開発し、今全国の現場で活用されています。
9日午前、岐阜市の認定こども園「芽含幼稚園」に、園児8人を乗せた送迎バスが到着。すると、警察官が園長や運転手と共にバスの中をチェック。静岡県の事件を受けて急遽実施され、警察官が死角となる座席の下などを確認。運転手と職員のダブルチェックをするよう指導しました。
芽含幼稚園の森園長:
「当たり前にみんなが降りてきただろうということではなくて、細かく自分たちの姿勢をかがめて、下にいないかさらに確認が必要だなと」
こういった人の手による「アナログ」な方法に加え、「デジタル」の力を利用しようという動きも…。
(リポート)
「子供がしっかり登園したかなど、園児の安全を守るためのアプリが名古屋で開発されています」
この会社が開発しているアプリというのが…。
VISH営業部の担当者:
「『バスキャッチ』というバスの位置情報をママに配信したり、ママたちがスマートフォンのアプリを使って幼稚園やこども園に連絡できるソフトを開発している会社です。こちらがバス位置情報を管理するソフトで、バスにGPSが積んでありますので、ママたちのスマートフォンのアプリに『まもなくバスが到着しますよ』と配信させていただいている」
送迎バスが今どこを走っているのかがリアルタイムで更新され、保護者もアプリで同じように確認できます。
VISH 営業部の担当者:
「0歳のお子さんがいる場合、(バスを)暑い中で外で待っているのはなかなか大変だと思うんですけど、バスがもうすぐ到着するというタイミングでママも(家を)出ていただけるので、安心して使っていただいているんじゃないかなと思います」
この「バスキャッチ」では保護者がアプリを通じて、当日の出欠とバスを利用するのかどうかの情報を登録することになっています。
アプリの導入で保護者への出欠確認などの業務が削減でき、その分を安全対策にまわせればといいます。
VISH 営業部の担当者:
「転記のミスをしてしまったり伝達のミスをしてしまって、欠席の人に気づかなかったりとかバスを降ろし忘れてしまう」
他にも、当日の体調を共有できたり、園からの「お知らせ」を一斉に配信できたりする機能があり、今では全国およそ2100の幼稚園でバスキャッチが導入されているということです。
ただ事件があった静岡県の幼稚園でも、バスキャッチのようなアプリを導入していたということですが、実際には正しく使われておらず命を守ることはできませんでした。
開発者も「アプリはあくまで手段」と指摘し、「大切なのは利用する人の意識」だといいます。
VISH 営業部の担当者:
「目的が子供たちと向き合う時間を増やすことで、アプリを使うのはあくまでもその手段。先生たちもアプリを使って、子供たちと向き合う時間を増やしてほしい」