第8波で感染拡大が続く中、世界ではオミクロン株の新たな派生型が確認されています。名古屋ではどうなっているのか、ウイルスの解析現場を取材しました。

 名古屋市守山区にある名古屋市衛生研究所。市内の医療機関から持ち込まれた感染者の検体からウイルスを解析しています。

 11月には9割を超えていた主流の「BA.5」の割合が、12月ごろから8割ほどに減りましたが、そこから派生した「BQ.1.1(ビーキューワンワン)」通称・ケルベロスが1割ほどに増えていました。

 BA.5もBQ.1.1も同じオミクロン株ですが、違いがあるといいます。

名古屋市衛生研究所の柴田微生物部長:
「重症度とかはたぶんあまり変わらないだろうと。免疫をすり抜ける能力が、従来のBA.5よりは強いだろうと。実際に少しずつ増えているので」

 免疫をすり抜ける新たな変異株が増えているといいます。

大村愛知県知事:
「BQ.1系統が国内でも増えている。特に海外では、アメリカなどでは相当猛威をふるっていると。ウイルスが目に見えるわけではありませんので、感染防止対策の徹底を今一度お願いしたい」

 愛知県の大村知事も、増えている変異株に警戒するよう、長時間の会食や密を避けるなどの対策徹底を改めて呼びかけました。

 アメリカでは今、オミクロン株の派生型『XBB.1.5(エックスビービーワンファイブ)』が猛威をふるっていて、すでに日本でも確認されています。

名古屋市衛生研究所の柴田微生物部長:
「XBB.1.5に関しては、今のところ(名古屋では)出ていません。日米は人の行き来が結構ありますので、いずれ入ってくる」

 名古屋で増えているBQ.1.1に、アメリカのXBB.1.5。

名古屋市衛生研究所の柴田微生物部長:
「まだどれが主流になるかわからない。アメリカで報道されている通りだとすると、XBB.1.5にあっという間に取って代わる可能性もある。愛知県・名古屋市も時間の問題かなと思います」