新型コロナウイルスの法律上の位置付けについて、政府は5月8日から季節性インフルエンザ並みの「5類」に引き下げることを、27日夜に正式に決定します。私たちの暮らしはどう変わるのか取材しました。

伊佐厚労副大臣:
「本日の夕方の政府対策本部において、(新型コロナの)位置付けの変更。そして、その具体的な時期を正式に決定することになると考えております」

 政府は新型コロナの感染症法上の位置付けを、大型連休明けの5月8日に、現在の「2類相当」から「5類」に引き下げることを、27日夜に対策本部会議で正式に決定します。

 5類に引き下げられると、感染時の行動制限がなくなるほか、イベントの入場制限などが法律上適用されず、経済活動が大幅に緩和されます。

 5類への引き下げについて、街の人に聞きました。

パートの50代女性:
「結構周りで感染者が増えているので、ドキドキはしているんですけど」

サービス業の40代男性:
「何も変えないのもまた、変わっていかないので、随時変えていく。変えたからどうなると懸念していたら何も進んでいかない」

女子大学生:
「実際にコロナにかかったんですけど、辛いなという思いをすごくしたので、インフルエンザと一緒の扱いになるのが正解なのかな?というのは思います」

 意見は様々でした。

 愛知県大口町にあるさくら総合病院の小林豊院長にも話を聞きました。

さくら総合病院の小林院長:
「2類感染症というのは基本的に全例入院。全例把握は全くもうできていない状態。5類感染症に引き下げることについては賛成ではあります。急激に元に戻すということではなくて、徐々に段階を踏んでということは必要だと思うんですね」

【動画で見る】新型コロナ“5類引き下げ”でも…病院長「普通の疾患としては扱えない」感染力踏まえ高齢者等守る対応求める

 現在、病院の病床使用率は8割から9割ほどと、いつ満床になってもおかしくない状況で、高齢者などへの院内感染を避けるため、今後もコロナ患者を隔離する必要があるといいます。

さくら総合病院の小林院長:
「(5月8日は)GW明けということで設定されたんだと思うんです。公費負担で治療していることを考えると、国の財政的な負担もかなり大きくなってきていますから、もっと早くてもいいんじゃないかと」

 感染症法上の位置付け変えることで気になるのは「マスクの着用」です。小中学校などに限っては、卒業シーズンの3月にも先行して緩和する案も浮上しています。

30代主婦:
「(Q.もし卒園式・入学式でマスク着用がどちらでもいいと言われたら?)たぶん着けさせますね。写真の時だけは外したいけど、それ以外は着けといてって」

男子大学生:
「ずっとマスクをしているのもどうかなと思うので、いつかはマスクをとらないといけないかなという気持ちはあります」

男子高校生:
「(マスクは)しますね、当分はすると思います」

さくら総合病院の小林院長:
「(Q.3月の卒業式などでマスク着用緩和の声もあるが?)児童教育のうえで、顔が見えることはすごく大事な教育の一つだと思うんです。相手の表情を読む、相手の表情を見ておもんぱかる。体育館とか大きなホールとかで余裕を持つこと、換気をきちんとすること、できる努力はしたうえで普通の教育に戻していくことが大事なポイントかと思います」

 新しいルールの中で個人が判断して行動すべきとする一方で、5類に引き下げても感染力が強い以上、高齢者などを守るよう対応すべきと話します。

さくら総合病院の小林院長:
「普通の疾患としてわれわれが扱えるかというと、ごちゃ混ぜにはやっぱりできない。高齢者から超高齢者、そして重い障害をもった方、どういった方を守らなければいけないか、どういった方に感染を及ぼさないことが医療崩壊を招かないようにするために重要か、皆さんで認識する必要があると思います」