
新型コロナ対策のマスク着用について、3月13日からは「原則個人の判断に委ねる」と緩和されます。「個人の判断」という新たなスタンスについて、街の声を聞きました。
10日午後に政府が開いたのは、コロナ禍の中でいわば当たり前となったマスク着用を、3月13日から「屋内・屋外を問わず、原則個人の判断に委ねる」とする新たなルールを決める会合です。
新型コロナの法律上の位置付けを、5月8日から「5類」に引き下げることに先立った対応で、満員電車や医療機関の訪問といった一部の場合を除いて、マスク生活が緩和されることになります。
この新たなマスクルールについて、街で取材しました。
女子大学生2人:
「私は今後も着けると思います。周りを見て大半の人が外しだしたら、自分も外すと思います」
「友達が着けていたら多分着けています」
30代女性:
「着けるかな。マスクを堂々と着けられるから、電車とかでも冬に風邪をひきにくくなったなと感じることもあって」
マスク生活への慣れや風邪などの予防にもつながった経験から、「マスクなし」には消極的な声が聞かれました。仕事の関係で悩む人もいるようです。
サービス業の50代女性:
「いろんな人とお会いするので、仕事では着けたいと思っているんですけど、個人的にはあんまり着けたくないなと思っています。仕事以外では外したい」
仕事や立場によっては、自らの希望と異なる判断をすることも考えられます。すでにマスクを外している男性たちもいました。
映像関係の仕事の20代男性:
「マスクは着けないようにしています。ワクチンもしっかり打って、感染もしたことがあるので、抗体ができているのかなと思うので」
一緒にいた自営業の20代男性
「僕も全然着けないですね。自分の我慢の限界というか、吹っ切れたところでやめました」
Q.マスクを着ける人が多いが抵抗はない?
同・自営業の20代男性:
「持ち歩いてはいます。お店に入る時に着けてくださいと言われたら着けますけど、それ以外は着けないです」
長いマスク生活を見直すきっかけになる、と言う人もいます。
40代母親:
「手洗い・うがい・マスクをちゃんとしていても、やっぱりコロナにかかっちゃったので、別にマスクにこだわらなくてもいいのかなと」
その一方で、まだ小さい子供のマスクについては迷っていました。
同・40代母親:
「周りの子が着けていてこの子が着けていないと、何かあった時に『あの子が着つけていないから』みたいに言われたらかわいそうかなと思って、一応持たせる」
息子さんは2歳から3年間、マスク生活です。
5歳の息子:
「(マスクは)着ける。(周りが)コロナにかかった時にうつらないようにするため。予備のマスク持ってる!」
教育現場はもうすぐ卒業式シーズンです。岸田総理も10日、「無理強いがないよう求める」とした上で、マスクなしを可能とする考えを示した卒業式。
取材した三重県津市の学校では、式典中は「原則マスク」とする一方、入退場時と卒業証書を受け取る時のマスク着用は「卒業生本人が決める」とすることに。職員会議で意見が割れた末の決断でした。
セントヨゼフ女子学園の教頭:
「職員会議もかなり紛糾しました。まだ受験生がたくさん残っておりますので、そういったことを考えると『マスク着用で』と言った方がいいのではとか。(一方で)晴れの日の舞台でもあるし、マスクを取るのもひとつかなとか」
3年生は今の時期は授業がなく、あとは卒業式を待つばかり。先輩を送り出す下級生は、新たな卒業式ルールに戸惑っていました。
女子生徒:
「最後の記念というか、ちゃんと先輩の顔を見て先輩を送れたらいいなと」
別の女子生徒:
「受験を控えた人がいるので。体育館という密集してしまう場所で、どこまで感染対策ができるのかなというのが不安」
教頭もまだ悩んでいます。
セントヨゼフ女子学園の教頭:
「各自が判断してくれるとうれしいなという気持ち。お友達のことを気遣って外さないでおこうというのも一つですし、にこやかな顔を見てもらって卒業していきたいと思う子を『そうだね』って理解してあげる」
【動画で見る】着用は“個人の判断”に…マスク生活緩和の新ルールに街から様々な声 卒業式控える学校は「職員会議も紛糾」