岐阜県中津川市で進められている小学校の建設工事が、想定外の問題に直面し、大幅に遅れています。4月から300人近い児童が新しい校舎で学ぶはずでしたが、いつからになるのか見通しが立たない状況です。

 作業員がせわしなく働く建設現場。

(リポート)
「中津川市の小学校の建設現場に来ています。当初は2月末の完成予定だったのですが、まだ工事は続いています」

 中津川市福岡地区で進められているのは、新しい小学校の建設工事です。

 当初の計画では2月末までに完成する予定でした。しかし、その予定は大きく狂っています。

【動画で見る】建設工事終わらず…新小学校の完成が4月の入学式に間に合わず 児童289人が学ぶ予定で市教委「ショック」

中島工務店の中島代表取締役:
「何とか入学式に間に合うようにとやってきましたけれども、なかなかそれに至らなかった。全く申し訳ないと思っています」

 4月の入学式に間に合わなくなってしまったのです。

 この計画は、福岡地区の3つの小学校を統合し、別の場所に木造2階建ての新校舎を建設するというものでした。

 2021年9月に着工し、この春289人の児童が学ぶ新しい「福岡小学校」としてスタートする予定でしたが、それがなぜ間に合わなくなってしまったのでしょうか。

中島代表取締役:
「ロシアのウクライナ侵攻に伴って、世界的な資材の不足が起こりまして、ほとんどが特注の材料でございまして。物ができてからも、取り付ける職人さんたちも本当に今は集まらなくて、日本中探してやっておりますが、どうしても順番に遅れてしまった」

 新型コロナやロシアによるウクライナ侵攻の影響で、窓のサッシをはじめ建設資材の調達に苦戦。さらに職人も慢性的に足りない状況だったといいます。

中津川市民:
「ある程度めどが立っての予定としてあったのか、そこだけが。これから入る子供たちのために気になるところかなとは思います」

別の中津川市民:
「入学する子たちは新しい気持ちでいっぱいで、たぶん待ちくたびれていると思うので、間に合ってほしいなと思います」

 工事を発注した中津川市は、工事の遅れに「ショックを受けた」としつつ、新校舎ができるまでは「仮校舎」で急場をしのぐ考えです。

中津川市教育委員会の担当者:
「(2022年)秋ぐらいには、少し工事の遅れが出ていると把握しておりましたが、その都度、工程会議の中で『こういった方法で挽回したらどうか』といったお話をさせていただき、工期内の工程表が出て、それによって工事を進めていただいていると思っていましたので、市としても大変驚いたというか、ショックを受けた事態ではありました」

中津川市教育委員会の担当者:
「市の方でまず最初に考えているのが、子供たちが仮校舎になりますけど、しっかりと安全・安心に生活していただけること、授業を学んでいただけることを最優先に進めております」

 統合は予定通り実施し、4月から現在の福岡小学校を「仮校舎」として使用しますが、新しい校舎にいつ引っ越しできるかはまだ見通せない状況です。