ゴールデンウィーク明けの5月8日から、新型コロナの感染症法上の分類が「5類」に引き下げられます。コロナと戦い続けてきた医療現場にはどんな変化があるのか取材しました。

 愛知県大口町のさくら総合病院。

小林院長:
「コロナの患者さんの情報が一目で分かるように、ホワイトボードを用意しています。その中で今入院しているのは1名のみ。落ち着いています」

 30床用意しているコロナ病床にいるのは、90代の男性1人だけとなりました。

 患者の数は減り、8日からの5類引き下げも正式決定。院内にも変化が生じていました。

小林院長:
「このビニールのフィルムのこちら側が『レッドゾーン』といってコロナエリアになっています。それに対してビニールの向こう側が『グリーンゾーン』といって、一般の患者さんが滞在するエリアという風に区分けをしているんです」

 これまでフロアも分けていたコロナ患者が入院する病床とそれ以外の病床ですが、パーティションを隔て4月から同じフロアに。

【動画で見る】「第9波での患者激減は全く想定してない」新型コロナ5類引き下げ目前…医療現場で変わった事と変わらない事

 コロナ病床に入る時は必ず着ていた防護服も、現在は患者と接触したり顔を近づけたりする時以外は着なくてもよいことにしました。

 ナースステーション内のビニールカーテンも撤去。コロナ病床以外の入院患者との面会も、「全面禁止」から「週に1度・2人まで」にするなど、国や県の方針に沿って少しずつコロナ対応を緩和してきました。

 5類引き下げで、大きな転換期を迎えようとしているコロナとの付き合い方ですが、緩めないものもあります。

Q.病床数を変える予定は?

小林院長:
「今のところそのまま(30床)でいきます。入院患者さんは第8波でも相当多かったんですよね。第9波で入院患者さんが激減するなんてことは全く想定していなくて、必ずこうやってシーンと静まり返った後というのは患者さんが一気に入ってくる」

 ただし、コロナ病床を確保するのは簡単ではありません。

小林院長:
「もし補助金がなければ、病床を空けておくことはかないません。(5月から補助金の)空床確保料が半額に減ってしまうので、補助が半分になるんだったら、確保している病床を減らそうとか、コロナを受け入れないというような病院も出てきかねない」

 5類移行によって、コロナ医療に交付されていた補助金は半額に。医療体制を維持すれば今よりコストが嵩み、コロナ患者の受け入れが困難になることも予想されます。

 5類になっても、コロナの感染力が変わるわけではありません。

小林院長:
「(5類の)季節性インフルエンザとの大きな違いは、感染力の強さなんです。医療機関における院内感染が起きると、突然多くの患者さんが発生するんです。(コロナの)波がいつ来てもおかしくないので、常に構えてなきゃいけない、準備をしとかなきゃいけないと思いますね」