新型コロナの感染症法上の位置付けが5類に引き下げられてから、15日で1週間が経ちました。通勤時間帯の駅や学校で、人々の心境の変化を取材しました。

(リポート)
「新型コロナウイルスが5類に移行して1週間が経ちますが、通勤時間帯では今もほとんどの方がマスクを着けています。ただよく見てみると、マスクを外している方も少しずつですが増え始めていますね」

 多くの人が行き交う15日朝の金山総合駅で目についたのは、マスクを外した人の姿です。

40代の男性会社員(マスクなし):
「基本的にはもう着けていない。やっぱり日本だと『周りが着けているかどうかが私の判断基準です』というところが多いかなと」

20歳の女子専門学校生(マスクなし):
「(電車の中も)外していますね。みんな周りの視線を見て着けているので、徐々に外していかないと」

 5類移行をきっかけに、「マスクなし」を本格的に始めたという声が聞かれました。「マスクの人」も着けるシーンは使い分けていると言います。

30代の会社員女性(マスクあり):
「今から電車に乗るので。でも職場では外したりもしているので、使い分けていますね」

18歳の男子専門学校生(マスクあり):
「(電車から)出てきたところでしていただけで。全然、駅とかいつも外しているので」

 5類移行初日だった5月8日は、まだマスクが目立っていた金山総合駅。1週間という短い期間で、人々の意識に変化が生じているようでした。

 岐阜市の岐阜小学校では、5類移行初日は、教師から「マスクを外していいよ」と言われながらも、ほとんどの児童がマスクを着けていました。

【動画で見る】通勤時間帯の駅や学校現場は…新型コロナの“5類引き下げ”から1週間『マスク』を巡り生まれつつある変化

 1週間経ち、15日はほぼ全ての児童がマスクをせず合唱の練習をしていました。

6年生の男子児童:
「外したり着けたりを繰り返していたけど、今はずっと外したままでいます」

別の男子児童:
「木曜日とかからとり始めて。そこからマスクのこと忘れちゃって、ずっととっています」

 低学年のクラスでは15日、半数近い児童がマスクなしで朝の会に出席するなど、子どもたちの間でも少しずつ広がっているようです。

藤田校長:
「抵抗なく外す子が増えてきたなと。すごくみんなで笑い合えるような雰囲気が、明るさを醸し出しているなというのはすごく感じますね」

 児童の表現力を養うため、合唱に力を入れてきた岐阜小学校。コロナ禍では長らく思うような活動はできませんでしたが、今では体全身で音楽を楽しむ生き生きとした姿も。

 15日はその音楽を通じた交流が予定されていました。岐阜市の友好都市・イタリアのフィレンツェからの訪問客を、6年生の児童が日頃練習している合唱でもてなしました。

フィレンツェ市代表訪問団のクリスティアーノ・マッジピットさん:
「言葉は通じなくても、音楽は人と人との心を通わせてくれます。マスクなしで歌うのが、もちろん一番いいと思います」

 教育現場にも戻ってきた笑顔の見える光景。5類移行によって、さらに進んでいくのでしょうか。