2024年5月9日、名古屋市西区でクレーン車が横転した事故で、「アウトリガー」と呼ばれる転倒を防ぐ装置の脚の部分が、地面に沈み込んだことが原因とみられることがわかりました。

 西区五才美町の住宅の建築現場では5月9日、クレーン車が横転する事故がありました。組み立てられた住宅の一部を吊り下げたクレーン車が倒れ、周辺の住宅や特別養護老人ホームなどに直撃しました。

 電柱をなぎ倒して周辺で1700戸余りが停電するなど、広い範囲に被害をもたらした横転事故。捜査関係者への取材で、その原因とみられる当時の状況が明らかになりました。

 クレーン車は、右の後輪のあたりが地面に沈むような形で倒れていました。沈んだため泥がついた部分はアウトリガーと呼ばれる転倒防止装置で、この設置方法が横転の原因とみられています。

 アウトリガーは、転倒を防ぐため脚のように左右に伸びる装置で、作業をする際には地面に沈み込まないよう下に鉄板を敷いていますが、右後輪付近のアウトリガーが鉄板からずれて地面に沈み込んだことで、バランスを崩して横転したとみられ、鉄板はその過程で一部に大きな力が加わったのか、端の部分がゆがんでいたといいます。

 工事の施工管理をしていたトヨタホーム愛知は、復旧作業を進めるとともに、現場でのアウトリガーや鉄板の設置方法について調査しています。

【動画で見る】転倒防止の『アウトリガー』設置方法に原因か…名古屋のクレーン車横転事故 接地部分が鉄板からずれた可能性