小池都知事が現在の新型コロナウイルスの感染傾向について「50代問題」と表現しました。東京では今、新型コロナの入院患者のうち約21%が50代で、年代別で「最も多い」ということです。

 50代の中には、糖尿病など持病がある人や高血圧・高コレステロールの人も多く、重症化の例が増えるといわれていて、小池知事も「深刻な状況」として「50代問題」に懸念を示しています。

 愛知県の年代別の「感染者の割合」は直近の傾向で、とりわけ50代が多いことはありません。

「50代以下」でみると、全体の約81%を占めています。東京では90%前後です。

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 年代別の「重症者」ついては、愛知県はデータを公表していないため、「50代問題」が起きているかはわかりませんが、県の担当者は「重症者は60代~70代がメインで、特に50代が増えているということはない」としています。

 感染症の専門家・愛知県がんセンター病院の伊東先生は、愛知で「50代問題」が起こる可能性について聞くと、「起こり得ると思う」と話しています。

 伊東先生によると、まず「ワクチンの接種状況」が影響するとしています。

 愛知県の接種状況で65歳以上の接種率は、1回目を終えた人が85.9%、2回目も60%を超えていて、高齢者の接種は進んでいることがわかります。

 全ての年齢では1回目は26.5%、2回目に至っては20%にも届かず、まだまだこれからという状況です。

 伊東先生は、高齢であるほど感染した場合の入院率・死亡率が上がると説明しています。ワクチン接種が高齢者には進んでいるため、今後はその下の年代、50代・40代に重症化が予想されるということです。

「重症者数のピーク」は「新規感染者数のピーク」の1~2週間後にやってくるため、今、感染者数がリバウンド傾向にある愛知県では注意が必要とも指摘しました。

 また、感染が広がる「デルタ株」は重症化リスクが高いため、今後影響してくるのではないかと話しています。