新型コロナワクチンを2回接種したことを公的に証明する「ワクチンパスポート」を持っていると、海外渡航の際の隔離や陰性証明など、制限や手続きが免除されます。

 スムーズに現地での生活に入ることができるということですが、現時点ではまだこうした免除を受けられる国は限られていて、イタリア・オーストリア・ポーランド・ブルガリア・トルコの5か国のみです。この5か国では、ワクチンパスポートの提示で隔離などなしで入国ができます。

 韓国ではビジネスなど急ぎの場合、ワクチンパスポートがあれば隔離措置なしで入国できますが、留学や旅行目的の場合は14日間の隔離を求められます。

 政府は今のところ海外渡航向けに利用を限定していますが、経済界からは、飲食店や国内旅行での割引や特典を受けられるよう求める声が上がっています。

 しかし、ワクチン接種は任意のため、政府はこうした利用については「接種したかどうかで不当な扱いにつながりかねない」と慎重な姿勢です。

 フランスでは、美術館などの娯楽施設に入場する際、いわゆる「ワクチンパス」の提示が義務付けられました。8月からはカフェなどの利用でも求められる見通しです。

 イタリアでも同様の動きがありますが、接種の強要につながる恐れもあり、2つの国では抗議デモも起きているそうです。

米では74人死亡…ワクチン2回接種済みの人がコロナ発症『ブレイクスルー感染』専門家が挙げる4つの理由

 打ったか打たないかで社会が二分されるようなことは避けねばならず、日本でもパスポートによる便利さや経済活性化とのバランスが重要です。