11日の「プロ野球ドラフト会議」で、広島東洋カープから4位で指名された愛工大名電高校の田村俊介選手。家族みんなで夢見たプロの舞台が現実になったその時を取材しました。

 ドラフト会議が始まる1時間前、京都・舞鶴から駆け付けた家族と談笑していた田村俊介選手です。

父親:
「どう?緊張しとる?名前呼ばれるまで待つだけやな」

田村選手:
「全然緊張してない」

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 甲子園でホームランを放ち、投げては最速145キロのストレートが魅力の二刀流です。

 その性格は「負けず嫌い」。

マネージャー:
「些細なことでもすぐ悔しがって。『絶対次打つ!』みたいな感じで、負けず嫌いです」

 そして、お姉さんも…。

姉:
「すごい負けず嫌いだと思います。小さい頃とか家の前でバドミントンをしたり、そういう遊びとかも弟が勝つまでやったりとか」

 故郷を離れ、愛知で寮住まいの田村選手。思いはいつも家族にありました。

田村選手:
「自分は(親が作る)キンパが一番好きです。(お母さんが)作ってくれます。あと手作りハンバーグとかおいしいです」

 そんな田村選手ですが…。

田村選手:
「でもあんまり辛いなって思うことは全然ないですね。すごい野球が1番好きなので。野球をやっていることが1番楽しいかなと思います」

 ドラフト当日。同学年の選手が次々指名される中、午後6時26分、ついにその瞬間が訪れました。

<アナウンス>
「広島東洋、田村俊介、外野手」

 広島東洋カープが4位で指名、家族で夢見てきたプロ野球の舞台を手に入れました。

父親:
「ほっとして体の力がスッと抜けました。涙も出ましたね」

母親:
「嬉しくて舞い上がっちゃいました」

田村選手:
「中学校から離れて寮生活して、その分寂しい思いとかさせたと思うんですけど、今日こうして選んでもらって少しは恩返しできたかなと思います」

 高校生屈指の二刀流が、家族の想いも背負って、プロの世界に挑戦します。

田村選手:
「広島東洋カープは、小園選手だったりとか即戦力で活躍されている選手がたくさんいるので、自分もそこに少しでも追いついて、追い越せるようにがんばっていきたいと思っています」