ダウン症の子どもを持つ親の中には、不安を抱え経験者との繋がりを求める人が少なくありません。「ファインドミーマーク」はそんな親同士をつなぐキーホルダーです。

 公園に集まった4組の親子。子どもたちは皆ダウン症です。

 母親たちのバッグにはかわいらしいキーホルダーが。「見つけてくれてありがとう」母親たちを繋いでいます。

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 キーホルダーを作ったのは名古屋市緑区に住む山口郁江さん(36)。

 3歳の娘・紗楽ちゃんはダウン症です。

山口さん:
「申し訳ないばっかりで。健康に産んであげられなくて」

 出産直後は自分を責める気持ちが強かったという山口さん。2人目の子育てでしたが、紗楽ちゃんにはダウン症に伴う合併症もあり、不安なことばかり。経験者に相談したくても、繋がることが難しかったといいます。

山口さん:
「ダウン症です、うちもですって言っていいのかな、私が声かけていいのかなとかいろいろ考えていたら、声かけられなくなって。私を誰か見つけてくださいってずっと思っていて」

「誰かに見つけてほしい」「声をかけてほしい」不安な育児の中で、山口さんが感じた切実な思いです。

「サンキュー・フォー・ファインディング・ミー=見つけてくれてありがとう」クマのイラストが添えられ、母親たちが身に着けたくなるような、かわいらしくオシャレなデザイン。

「ファインドミーマーク」は、ダウン症の子どもを持つ親や家族が互いに繋がることを目指してその目印になるもの。去年11月に完成し、インスタグラムにアップしたところ大反響。

山口さん:
「インスタでつながった全国の人たちが、『めっちゃいいじゃん』『私ほしい』『つけたいよ』って言ってくれたので」

 今年に入りホームページを開設。毎月希望者を募り、無料で届けています。

 これまで北海道から沖縄まで全国に発送。その数はこの1年でおよそ1900個にのぼります。

 今、ファインドミーマークが家族同士を繋いでいます。

ダウン症の子を持つ母親:
「キーホルダーがあったら気軽に話しかけられるし、すごくいいアイデアだなと思いました」

ダウン症の子を持つ別の母親:
「ある日、私がキーホルダーをつけていたら『そのキーホルダーもしかして』って声をかけてくださって、『実はうちの子もダウン症なんです』って。本当に身近なところにもいるんだなって、それだけでもすごい心強かったです」

山口さん:
「大丈夫なんだ、仲間いるんだ、声かけよう、近くにいた、そういう感じでどんどんつながっていって、みんなが楽しく生きていってくれたらいいですね」

「見つけてくれてありがとう」。名古屋から笑顔の輪が広がっています。