28日朝の名古屋市内では、27日に降った雪が凍るなどしてスリップ事故が相次ぎました。大晦日には再び寒波の襲来が予想されていて、降雪や路面の凍結などの恐れがあります。車も歩行者もトラブルを防ぐため、「路面凍結」について調べました。

■路面凍結の危険性 都心では日陰や横断歩道に注意!

 路面凍結がどれだけ危険なのかがわかる、JAFの実験映像などをお借りしました。

 時速40キロで急ブレーキをかけ、路面によって止まるまでの距離を計測。濡れた路面では約11mだったのに対し、雪で踏み固められた路面で20m、凍結した路面ではなんと80m以上もかかりました。

橋の上が“アイスバーン”に…名古屋市内の橋で少なくとも9台絡む4件の事故「ハンドル切ったらスリップ」

 さらに、同じように見える上下2つの路面では、同時にブレーキをかけても上は全く止まる気配がありません。これが「ブラックアイスバーン」です。

 見た目には差がありませんが、止まるまでの距離は、濡れた路面のおよそ6倍もかかってしまうといいます。夜間ではさらに判断がつきにくくなるので、注意が必要です。

 路面凍結の危険は都心にも潜んでいます。

 2018年1月、名古屋駅前の「大名古屋ビルヂング」の裏側。日陰で、道路がスケート場のように凍っていました。

 この時は、寒波が襲来して都心でもあちこちが路面凍結し、小さな歩幅で歩く人も見受けられました。その中で注意が必要なのは横断歩道です。

 名古屋市消防局によると、この時は6日間で319人が凍結路面にかかわる事故などで救急搬送されています。

■車の路面の凍結対策 おススメは布製のチェーン「AutoSock」

 路面の凍結対策について、名古屋市港区の「スーパーオートバックス名古屋ベイ」で聞きました。

担当者:
「スタッドレスタイヤについては先週と比較して約1.5倍、チェーンに関しては約2倍の売れ行きとなっています」

 路面の凍結対策には主に、金属やゴムなどを使ったチェーンに…。

 雪に滑らないゴムを使ったスタッドレスタイヤの2つのパターンがあります。

 売場のお客さんは「取り付けのしやすいもの」を購入のポイントに挙げていました。

 そんな人におススメの商品が、「AutoSock」という布製で取り付けも簡単なチェーン。

 北欧・ノルウェーで生まれた商品で、中には布のカバーのようなものがあります。簡単に取り付けられるということなので、タイヤチェーンを付けたことがない記者が実践してみました。

 まずは、オートソックを駆動輪のタイヤに半分かぶせます。その後、車を半回転だけ進めて、さらにもう半分をかぶせれば完成です。

 一般的なチェーンは取り付けに20分くらいかかるといいますが、こちらはなんと約2分30秒で完了。

 特殊な布の起毛が雪や氷の面をしっかり捉え、発進・停車のグリップ力を上げてくれるといいます。必ず駆動輪に取り付け、50キロ以下の走行を遵守して下さい。

 走行中も静かで快適。また、軽量かつコンパクトで場所をとらないのもポイントです。

 取材した店では10448円~(※タイヤサイズにより変動)で、毎年品切れになるほどの人気だといいます。

 着脱のしやすさなどから、JAFなども緊急脱出用にこの製品に近い布製のものを使っているといい、街乗りの人が緊急用として備えるのにおススメということでした。

■急な雪や路面凍結の際に持っておきたい「コロバンド」

 雪があまり降らない地域の方は、使用機会の少ない「冬用の靴」を購入するのは少しハードルが高いと思います。そこで、東急ハンズ名古屋店で靴の補修用品を担当する山本さんがオススメするのが「コロバンド」という商品。

 輪の中につま先を入れてバンドをかかとにかけるだけで装着でき、スニーカーやビジネス用の皮靴などでも使えます。

 大型のスパイクピンが氷や雪に食い込み、滑り止めになります。つま先など広範囲が接地面に触れるので、グリップ力が高いのも特徴です。

 サイズはLとMの2種類で税込1870円、東急ハンズ名古屋店7階で販売しています。