王将戦でも好調を維持している将棋の藤井聡太四冠が、スポーツニッポンの記事で車掌に変身した姿を披露しました。王将戦の記念撮影の秘密や、これまでの秘蔵写真について調べました。

 1月9日と10日、静岡県の掛川城で行われた王将戦第一局。愛知県瀬戸市出身の藤井聡太四冠が渡辺明三冠に挑みました。お互いに持ち時間を使い切る大接戦の末、藤井四冠が勝利しました。

 藤井四冠は1月12日のスポーツニッポンの記事で、車掌に変身した姿を披露。第一局に勝利した翌日に天竜浜名湖鉄道・掛川駅を訪れ、上着と帽子を借りて記念撮影を行ったそうです。

 なぜこのような写真を撮影したのか、王将戦の主催でもあるスポーツニッポンに話を聞きました。

 タイトル戦の中で王将戦だけは、対局の翌日に「勝者の記念撮影」をするのが恒例となっていて、スポーツニッポンの写真映像部が開催地の名物などを考慮して、衣装やシチュエーションを決めるということです。
 
 藤井四冠は、鉄道ファンだと知られていることから、「動物か鉄道」と「先を読んでいた」といいます。

 この記念撮影は36年前の1986年、王将戦を制した中村修さんの時から始まりました。その時は、山梨県の山中湖付近で行われた対局の翌日に、なぜか雪かきをしている1枚。

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 その後、記念撮影はどんどん趣向を凝らしたものになっていきます。

 2021年には静岡県の「掛川花鳥園」で、インコの祝福を受ける渡辺明さん。

 羽生善治さんは2006年、最終戦第7局の舞台・佐渡島を後にするときに乗ったフェリーの操舵室で、制服に身を包んで撮影しました。

 愛知県一宮市出身の豊島将之さんは2017年、島根県・三瓶温泉で行われた第5局勝利の翌朝、朝風呂でリラックスした表情を撮影。

 2011年には、対局した静岡県河津町の旅館前の砂浜で、一人昨日の対局を振り返る佐藤康光さんの1枚。藤井四冠もこの写真を見て「なんかかっこいい」と話していたそうです。

 なぜこうした記念撮影が始まったのかは、スポーツニッポンも「昔すぎて分からない」といいますが、「写真で将棋ファンや対局に協力いただいた自治体などの皆さまに楽しんでほしいという思いで続けています」と話しています。

※画像はスポーツニッポン新聞社提供