愛知県清須市に、観光協会と地元の飲食店が町おこしのために考案した新グルメがあります。名古屋名物ひつまぶしから着想を得て開発されたこの「清須からあげまぶし」は、地元の野菜や地元企業の様々な調味料を使って調理。新たなご当地グルメとして人気となっています。

■目指すは信長の如く全国に名をとどろかせるグルメ…町の新たな名物「清須からあげまぶし」

 愛知県清須市の新グルメ「清須からあげまぶし」は、2021年12月に市の観光協会と町の飲食店が協力し、地域活性化のために開発されました。食べ方は、ひつまぶしスタイルで、一杯目はそのまま、二杯目は薬味をのせて、三杯目はダシをかけて頂きます。現在、市内の様々な店で食べることができます。

男性客:
「いろんな薬味が付いていて、いろんな味が楽しめて美味しい」

【画像20枚で見る】町おこしで開発した『清須からあげまぶし』地元の“つけてみそ”から“鬼ころし”まで使用

しかし、なぜ“清須でからあげ”なのでしょうか。

清須市役所の担当者:
「清須は、織田信長が桶狭間の戦いに清州城より出陣し、天下“取り(とり)”の出発点とした事から“鶏(とり)”のからあげをメインに」

 そして、織田信長の好物だったという「焼き味噌」と「湯漬け(お茶漬け)」からもヒントを得て考え出されたといいます。

清須からあげまぶしの条件は、清須産の味噌を使った鶏唐揚げを“ひつまぶし形式”で提供すること。さらに、愛知県産の野菜を使用することにもこだわっています。目指すは、信長にあやかり全国に名をとどろかせるグルメです。

■”つけてみそ”から”鬼ころし”まで…地元の名物をふんだんに使用

 からあげまぶしを提供する店の一つが、創業47年の「カフェ&レストラン 田園」。

「鉄板ナポリタン」(1000円)や「田園風オムライス」(820円)など、定番料理が人気の店です。

 この店の唐揚げは、塩、コショウ、ニンニク、生姜、みりんと2種類の醤油で下味をつけた鶏もも肉に、コンスターチをまぶしてカラっと揚げています。ご飯には、キャベツと海苔を敷いて味と食感にバリエーションを出しています。

 最後にかけるタレには、様々な地元の名物が使われています。地元企業「ナカモ」の『つけてみそかけてみそ』に、ソースやケチャップで有名な「太陽食品工業」の『太陽味覚酢』。そして、隠し味として老舗酒蔵「清州桜醸造」の『鬼ころし』も使っています。さらに…。

田園のオーナーの男性:
「コロナ禍で、酒類の提供がダメになった時期に、ビールを破棄していたので『もったいない』と」

清須市には、キリンビールの名古屋工場があり、東海3県を中心に出荷しています。

オーナーの男性:
「(ビールに)甘みをプラス。コク深いふくよかな、みりんのような調味料に」

 お米は、市周辺で育てられた、「あいちのかおり 信長米」を使用。この店の「清須からあげまぶし」(1180円)は、とことん地元産にこだわっています。

男性客:
「もう3回目、リピーター。サラ~っとお茶漬けで食べられるのがクセになります」

女性客:
「薬味も種類によって味が変わる感じで、飽きずに食べられそう」

別の男性客:
「味噌がきいているのか和風のからあげで、甘い感じですごく美味しい」

販売からおよそ2か月で、多い日には1日30食以上出る人気メニューになりました。オーナーの男性は、「味だけでなく清須でしか体験できない思い出も持って帰ってほしい」と話します。