2020年度、日本では7万匹の犬や猫が保護され、そのうち2万4000匹が殺処分されました。保護活動が広がるなどして殺処分の数は年々減少していますが、運営は簡単ではありません。愛知県武豊町の保護団体の代表に、運営の難しさや今後の懸念について聞きました。

 公の機関でも寄付などで犬や猫を守ろうという動きが広がっていますが、民間でも保護活動が進んでいます。愛知県武豊町の「ドッグレスキューハグ」代表の塚本恵さんに話を伺いました。

 この団体は今まで279匹を保護してきましたが、運営するのはかなり大変だといいます。

 一番の問題は「金銭面」。現在保護している15匹は老犬が多く、そのうち13匹が病気を抱えていて、医療費は毎月約20万円、食事代などを合わせると、毎月約35万円かかります。スタッフは全員ボランティアで人件費はゼロです。

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 支援金なども届くそうですが足りない状況で、塚本さんが貯金を取り崩しながら運営をしているということです。

 世話をするのも大変です。毎日15匹の食事や散歩、掃除や病気のケアなどを行いますが、19人いるスタッフも仕事がありフル稼働できないため、塚本さんが1日中付きっ切りで世話をし、ほとんど寝られない日も少なくないといいます。

 塚本さんは犬を世話する理由について「人間が犯した罪は、人間でしか償えないから」と話します。人の身勝手な行動で不幸になった動物を救うには、人が努力するしかないという思いがあるということです。

 また、新型コロナの影響でペットを飼う人が増えたのと同時に、経済的に困窮する人も増えていて、飼育放棄の増加に繋がりかねないと心配しています。「ペットを飼う場合は、お金・時間・愛情を十分に与えてあげられるのか、今一度考えてほしい。また、保護犬を引き取るという選択肢も加えてほしいと」と話していました。

「ドッグレスキューハグ」はホームページで支援金の受け付けや、グッズ販売で活動資金を集めています。