東日本大震災から11日で11年を迎えます。もし小さな子供と被災したらどうすればいいのか、防災の啓発活動をする母親たちに、子供と一緒に楽しみながらできる方法を教えてもらいました。

 赤ちゃんと一緒にシェイクアウト訓練。1歳までの赤ちゃんを持つ母親たちを対象にした防災講座の一コマです。

 開いたのは県内の母親たちで作るグループ「防災ママかきつばた」。

【画像で見る】防災の啓発活動するママに聞いた“小さな子供と一緒にできる防災術”

 親子向けの防災講座を開いたり、地震の仕組みを描いた絵本の制作などの啓発活動を行っています。

 メンバーの原田友紀さん(30)。原田さんは、3歳と1歳の子どもを育てる母親です。

 小さな子供と一緒にできる防災術について教えてもらいました。

原田さん:
「『パッククッキング』と言って、ライフラインが止まったときにカセットコンロを使ってご飯とオムレツを作っていきます」

 用意するものはカセットコンロと耐熱用のポリ袋など。

 ごはんはポリ袋に米1合と水200ミリリットル。

原田さん:
「空気を抜いて上の方で軽く縛ります。30分くらい吸水させた方が美味しくできます」

 オムレツも、材料を全てポリ袋に入れ、後はバターがなくなるまで袋の外から手で揉みこむだけ。

原田さん:
「子供でもできますので、お子さんと一緒に『もみもみ』すると楽しくクッキングできます」

 このパッククッキング、揉み込む作業は小さな子供と一緒にするのがおススメだといいます。

 沸騰した湯の中に口を縛った袋を入れ、米は片面20分、その後裏返してさらに10分湯せんし、最後に湯の中で10分蒸らします。

 卵は時差で鍋に投入。片面10分、裏返したら湯の中でさらに10分蒸らします。

原田さん:
ハサミで袋をあけて盛り付ければごはんとオムレツの完成。ごはんは、米と水の量を調整すれば赤ちゃんが食べられるお粥にもなります。

 大事なのは、こうしたパッククッキングを普段からやっておくことだといいます。何度も作って食べ慣れたものにすることが、いざという時に役立ちます。

 また原田さんがすすめる『子どもの防災リュック』は、家族の情報が書かれたカードのほか、着替えやおやつなど普段の旅行と同じように詰め込みます。

中でも…。

原田さん:
「今(3歳の長男は)オムツが外れているんですけど、災害時にトイレに失敗したりするようになるので、オムツと吸水ライナーなどを入れています」

 オムツを卒業した子供でも、災害時は不安などから必要になることもあります。さらに、不安やストレスを和らげるためにもお気に入りのおもちゃや本、食べ慣れたおやつを入れることもポイントです。

原田さん:
「災害時にも、これがあれば大丈夫だねって思えるものを備えておく。日常の延長線上に災害時のこともあると思うので、普段できることが防災にもとても役に立ちますので、普段から使うようにしています」

 防災リュックを作ったら、目に付くところを置き場所にします。普段のおでかけにも持っていけば、いざというときに安心です。

原田さん:
「防災というと、ハードルが高く感じると思うんですが、普段から簡単にできることを少しずつやって、災害が起きたときでも普通の生活ができるようにしたいと思っています」