リニア中央新幹線の建設工事で13日、名古屋駅の「東工区」の現場が初めて公開されました。

 名古屋駅周辺の用地が買収され、空からでも様子が見えるようになったリニア中央新幹線の建設現場。

 2016年から名古屋駅周辺で工事が始まり、東海道新幹線や在来線の駅とクロスする形で、およそ地下30メートルに駅が設けられます。

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 13日は「リニア名古屋駅」の最も東側、およそ180mの部分である東工区の工事の様子が、初めて報道向けに公開されました。

 現在ここで行われているのは、以前あった建物の地下などを撤去する準備工。今後、地中に壁を作って掘削、そして埋め戻して駅が完成します。

(リポート)
「ドリルのような重機の先が、地下にゆっくりと入っていきます。地下に溝壁を作るための掘削が行われています」

 準備工では、地中に本格的な壁を作るのを前に、周辺の地盤を固めています。そして…。

(リポート)
「この辺りにも多くのオフィスビルがあったということです。こちらの重機では、建物の地下部分を撤去する作業が行われています。今、地下部分のコンクリート片を運んでいます」

 元々あったビルの地下のコンクリートなどを細かく切り出して地上に引き揚げ、撤去する作業も行われています。

JR東海中央新幹線建設部の担当者:
「4年から5年程度で更地化を完了しようということを目標に進めてきたところですけれども、実際ここまでくるのに7年かかったわけです。決して楽な工程ではないという状況になっております。ただ、できるだけ短縮することを知恵を出しながら、当初考えた工程にできるだけ近づくように、引き続き努力をしていく」

 名古屋駅で工程が予想を超える中、静岡県ではトンネル工事に伴う大井川の水量の減少が懸念され、いまだリニアは全線着工できず、当初2027年としてきた開業のメドは立っていません。

 東工区の真北にある称名寺。

 寺の土地の一部がリニア建設のため買収され、鐘楼門と鐘の場所を3年前、5メートルほど移動しました。

 リニアの工事に協力したものの、開業の目途が立っていないことに複雑な心境です。

称名寺の住職:
「希望だったりとか色んな声も聞くので、われわれはできるだけ協力をしていきながら、なるべく早く、ここまでやったんだったら新しい地域につくりあげてほしいなという気持ちがある。やっぱり計画通りに進むことを望んでいます」

 工事が進むものの、開業のメドが立っていないリニア中央新幹線。夢の超特急が東京を結ぶ日はいつになるのでしょうか。