円安の勢いが止まらず、19日は一時1ドル128円台となりました。ウクライナ情勢も相まって、金の価格は最高値を更新。リユースショップの買取現場では、思わぬ高額査定が続出しています。

 金の宝飾に、金の小判…今注目の金製品。名古屋市中区大須にあるリユースショップ「KOMEHYO名古屋本店」の買取センターに掲げられた看板には「金高騰中」の文字が踊ります。

 純金の販売価格はコロナ流行前のおよそ1.7倍、安かった99年ごろと比べると8倍以上に。空前の金相場の上昇で、コメ兵には連日多くの人が金製品の査定に訪れています。

コメ兵名古屋本店の担当者:
「前年比で1.3~1.5倍くらい、お客さまが増えております」

 ある夫婦が査定に出したのは、3年前に夫が妻へ贈った7万5千円ほどの18金ネックレスと…。

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 15年前に35万円ほどで買ったというネックレスの2点。

鑑定士:
「以前よりも相場が上がっているので、2点で67万7400円でございます」

 買った時よりも25万円以上も高い買取価格に、夫婦はニンマリです。

 歴史的な金の高騰。金1グラム当たりの小売価格は19日現在、過去最高を記録した18日をさらに上回る8967円と、最高値を更新。

 高騰の理由は、ウクライナ情勢の緊迫化により、相場が世界共通で「安全資産」とも呼ばれる金に注目が集まったこと。さらに…。

コメ兵名古屋本店の担当者:
「金相場はドル建てで取引が行われているので、円安が進んで国内の金相場がすごく上がっている」

 金の取引は「ドル」をベースに行われます。例えば、1gで100ドルの金は、1ドルが100円の時には1万円ですが、円安が進み1ドル127円になれば、同じ金1gでも1万2700円となります。

 ある女性が持ち込んだのは、18金のネックレスとブレスレット。30年ほど前に購入し、購入時の値段は覚えていないといいます。相場が上昇するこのタイミングに査定してみると、買取価格は186万3100円と思わぬ高額査定に。

 さらに、身に着けていたネックレスまで査定してもらうと…。

鑑定士:
「こちらが49万4700円です。金としては過去にないくらい高いですね。トータルすると235万7800円になります。本当にいいタイミングでお持ちただいたと思います」

女性:
「いつもそうやって言ってへん?」

 何とも浮かない表情を浮かべますが、30年前と比べ5~6倍となった金の相場を目の当たりにすると…。

女性:
「こうやって見せてもらうとわかりやすいね。はい、わかりました」

 歴史的な金の高騰で、タンスの肥やしが思わぬ高額になっています。