ロシア軍による侵攻で愛知県に避難してきた女性が、ウクライナ伝統の「硬いパン」を通して、日本での生活にチャレンジしています。

 こんがりとした焼き色のパン。ウクライナの人たちの主食で「バトン」と呼ばれ、硬いのが特徴です。

 このバトンを通して今、ウクライナと日本を固い絆で結ぶ動きが…。

 キーウ出身のリディア・ザイエツさん(36)。

始まるウクライナ人夫婦の“異国生活”良い仕事なくても「爆弾落ちてくるよりいいので日本で働く」

 ロシア軍の攻撃で自宅は壊滅的な被害を受け、4月10日に夫のルスランさんと日本の知人を頼り避難。今は安城市内の県営住宅で暮らしています。

 19日、リディアさんが大きな袋を手に提げ訪れたのは、安城市に本社を置き愛知県内6店舗を展開する「パンのトラ」。お手製のバトンを持参しました。

 打ち合わせの相手は加藤敦揮社長。今回、「あたたかく受け入れてくれた日本に恩返しがしたい」というリディアさんと、加藤社長の「パンを通してウクライナを応援したい」という思いがマッチし、パンのトラでウクライナのパンを商品化して、売上の一部を寄付する計画が持ち上がりました。

リディアさん:
「日本のパンは軽くてふわふわ、ウクライナのパンはハード系、硬めで重い」

 本場を知るリディアさんからアドバイスをもらいます。ちょっと硬めのバトン、サワークリームと具材を載せて味わうのがウクライナ流です。

リディアさん:
「社長が温かく受け入れてくれて、一生懸命『何かしてあげたい』という気持ちがうれしい。ウクライナの文化を少しでも皆さんに知ってもらえたら」

 早速、商品化に向けて動き出した開発チーム、販売は5月中旬ごろを目指しています。

加藤社長:
「日本の方にウクライナを遠くのよく分からない国じゃなくて、こういうもの食べているんだって、ほんの少しでも近くに感じてもらえたら」