激戦地・ウクライナのドンバスから家族と共に岐阜県に避難してきた10歳の女の子が、日本の小学校に通うために初めて訪問しました。心配なのは学校の習慣の違いです。

エヴァちゃん:
「(日本語で)こんにちは、私はエヴァ・マリッチです。ウクライナから来ました。絵を描くことと算数が好きです。よろしくお願いします」

 日本語で自己紹介をしたのは、3月にウクライナ東部のクラマトルスクから日本に避難したマリッチ・エヴァちゃん(10)。

 各務原市に住む叔母のスビトラーナさん(39)を頼って、母のナタリヤさん(32)ら家族4人で避難してから一か月が経ちました。

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 この間エヴァちゃんは日本語教室に通うなど、懸命に日本語を勉強。

叔母のスビトラーナさん:
「今日は小学校に挨拶しに行くので、ずっと朝からドキドキしている感じ。クラスの中で、みんな生徒達の前で挨拶する」

 26日、エヴァちゃんは5月から通う各務原市の小学校で挨拶をすることに。

叔母のスビトラーナさん:
「学校行くの心配?」

エヴァちゃん:
「全然大丈夫。日本語の挨拶をみんなの前で早くしたい」

 学校へ行くのが楽しみなエヴァちゃん。しかし、心配もあります。

母親のナタリヤさん:
「まだまだ日本語が一番心配です。子供達や先生としっかり会話できるか心配しています」

叔母のスビトラーナさん:
「言葉が分からないと、ちゃんと勉強できるかどうか、宿題はできるかどうか(心配です)」

 他にも心配しているのは、文化の違いです。

叔母のスビトラーナさん:
「日本の学校の方が(規則が)厳しい。いろんな細かいところ。例えばピアスでも日本の学校はダメですよね。私たちの国では全然問題ない。ちょっとしたマニュキュアも大丈夫だし、女の子は。服でも髪型でもみんな自由な感じ。これは全部はずして、ネックレスとか全部はずして学校行くと思います。元々の日本のルールだから守らなきゃいけないと思って」

 ウクライナと言葉も文化も違う日本の学校での新生活。ドキドキの中、母・ナタリヤさん達と小学校へ。

 エヴァちゃん、初めて会う日本の小学生にうまく挨拶ができるのでしょうか。学校訪問からおよそ2時間後…。

叔母のスビトラーナさん:
「全部学校は見学して、給食の準備とか勉強の仕方を見て、友達と挨拶して、みんなすごく優しくしてくれて。絶対に友達になれると思う」

母親のナタリヤさん:
「すごく心配していたけど、先生と話して、子供たちの優しさをみて、すごく安心しました」

エヴァちゃん:
「(Q.学校どうだった?)楽しかった」

叔母のスビトラーナさん:
「すごく気に入ったみたい。だからもう明日から学校行きたいって」

 日本語での挨拶がうまくできて、安心した様子のエヴァちゃん。帰宅後、ナタリヤさんは娘の様子を伝えるため、父親のアンドリューさんとテレビ電話を繋ぎました。

 アンドリューさんは現在もクラマトルスクに残り、警察官として街の治安を守っています。

叔母のスビトラーナさん:
「エヴァは学校でちゃんと日本語で挨拶できたよ」

エヴァちゃん:
「(日本語で)こんにちは、私はエヴァ・マリッチです。ウクライナから来ました。よろしくお願いします」

父親のアンドリューさん:
「すごいね!とても嬉しいよ」

 お父さんに元気な様子を見せられたエヴァちゃん。まだまだ心配なこともありますが、家族で力を合わせて日本での学校生活を始めます。