名古屋市西区の円頓寺商店街にある、三重県ブランドの伊勢茶専門のカフェでは、「煎茶」や「ほうじ茶」を使ったスイーツや、水を足して約3杯伊勢茶を楽しめるボトルレンタル型の「朝ボトル」が人気です。

■煎茶にこだわる…煎茶やほうじ茶を使ったスイーツが人気の伊勢茶カフェ

 名古屋市西区にある円頓寺商店街に、2021年にオープンした伊勢茶専門のカフェ「mirume深緑茶房(みるめ しんりょくさぼう)」。

【画像20枚で見る】“採算度外視”の朝限定商品も…名古屋の商店街に煎茶にこだわる『伊勢茶専門カフェ』

「mirume」とは、お茶の新芽を意味する業界用語で、実家が松阪市のお茶農家という松本壮真さんが、伊勢茶を名古屋でも広めたいと開きました。

店主の松本さん:
「伊勢茶を知っていただいて、日常の選択肢の一つに浮かぶようになればいいな」

店のお茶は、松本さんの実家で作られた伊勢茶のみ。2006年には農林水産大臣賞の天皇杯を受賞。三重ブランドにも認定された「深蒸し煎茶」は絶品と評判です。

お茶を淹れる工程も楽しんでもらいたいと、「急須 新茶」(650円)は、お客さんが自分で注ぐスタイルで、もちろんお湯のおかわりもできます。

女性客:
「すっきりしてうま味が後からくる感じで、おいしい新茶。時期ごとのお菓子も楽しみなお店」

人気のお茶菓子も、抹茶は使わず煎茶にこだわっています。新茶を使った「新茶まんじゅう」(300円)や…。

京都の和菓子店で作ってもらった伊勢茶の煎茶味とほうじ茶味がセットになった「生ようかん(煎茶・ほうじ茶)」(250円)を楽しむことができます。

伊勢茶と北海道産クリームチーズで作った「チーズケーキ」(400円)も。

お茶の風味を生かす配合にこだわった、一番人気のスイーツです。

■飲み切ったら水を足して3杯は楽しめる…ビジネスマンに人気のボトルレンタル型の「朝ボトル」

 カフェの店先には、穴のあいた壁があります。松本さんは、平日の朝8時からこの穴に、お茶のボトルを入れて販売しています。

松本さん:
「300円でボトルを渡して、オフィスに行った際に飲みきったら水を足してもらって、3回ぐらい飲めるように。お帰りの際にボトルだけ返却していただくシステム」

ビジネスマンなどに人気の「朝ボトル」(300円)は、茶葉の代金300円を払って、ボトルを1日レンタルし帰りに返却するというシステム。販売開始から1時間で売り切れてしまうほどの人気になっています。

男性客:
「暑がりなので自動販売機でよくお茶を買うんですが、それより水道水を入れて何回でも楽しめるので」

開店の3時間前から店頭に立って販売する「朝ボトル」は、採算度外視だといいます。

松本さん:
「お茶農家に生まれたので伊勢茶が家にあるのが普通で、冷蔵庫に水出しの伊勢茶が入っていて、日常のものだった。もっと日常的にお茶を楽しんでいただくキッカケになればと」

伊勢茶をもっと知って欲しい…。松本さんは、店頭に立ち伊勢茶の美味しさを発信しています。