19日、競技生活からの引退を表明したフィギュアスケートの羽生結弦選手。多くの感動シーンを届けてくれましたが、名古屋ゆかりのフィギュア選手や街の人に名シーンを聞きました。

 19日、競技生活からの引退を表明した羽生選手はかつて、フィギュア王国・名古屋への思いも語っていました。

 2014年の名古屋フィギュアスケートフェスティバル。華麗な滑りで観客を魅了しましたが…。

羽生選手(2014年):
「名古屋(フィギュアスケート)フェスティバルは結構、アリーナ席にいる方々が厳しいんですよね。目が肥えているんですよ、名古屋の方々。それにふさわしい演技ができるように、今日を含めてしっかりと(状態を)あげていかなきゃなと思ってました」

 羽生選手の「競技引退」について、名古屋出身の宇野昌磨選手もコメントを発表。

羽生結弦選手が“プロ転向”へ…同い年の村上佳菜子さん「次に向かうことにワクワクしていると感じた」

<宇野選手のコメント>
「ゆづくんの背中をずっと追いかけ続けてきて、今後の競技会で同じ競技者として会えないことにはまだ実感がありません。ただ、ここまでフィギュアスケート界を牽引し、プロに転向されてもゆづくんは変わらず牽引し続ける存在だと僕は思っています」

 多くの感動を私たちに届けてくれた羽生選手。名古屋の街で、どのシーンが印象に残っているか聞きました。

70代女性:
「(2014年)ソチの金メダルが一番印象的ですけれども」

別の70代女性:
「最初に金をとったソチの、あのポーズが何とも言えない。ステップも軽やかでしたから、男の子がそんなことができる、あれだけはすごい衝撃で」

 2014年のソチオリンピック。ショートプログラムで4回転トゥループを完璧に決めるなど、当時の歴代最高得点をマーク。フリーの演技でも世界を魅了し、日本男子フィギュア初の金メダルに輝きました。

 さらに、世界中に衝撃が走ったのが…。

20代男性:
「練習の時にケガをされたみたいで、頭にバンドを巻いて大会に出ていた時の印象がとても残っていますね」

70代女性:
「テープを巻いて頑張られたの、あれは覚えていますね」

 2014年、中国で開かれたグランプリシリーズで、練習中に選手と激しく衝突。体をリンクに打ちつけられ、顔から出血するケガをしながらも演技をやりとげ、驚きとともに感動を呼びました。

 そして、競技以外にも…。

30代男性:
「演技が終わった後に、プーさんとかのぬいぐるみを皆さんが投げられていたシーンがとても印象的でした」

 くまのプーさんを抱えファンに手を振るシーンや、記憶に新しい「名シーン」も…。

50代女性:
「転んだ時、まさかという感じで。頑張ってきたから、もう涙が出てきそうだった」

 3連覇をかけて臨んだ北京五輪。ショートはまさかの8位で、フリーでは、転倒したものの五輪史上初の大技にも挑戦。競技を終えた後、深々と頭を下げるシーンが印象的でした。

 羽生選手と同い年で、ともに競技生活を送った村上佳菜子さんは、『アスリート・羽生結弦』が大きく飛躍するきっかけとなった大会があったと明かしてくれました。

村上佳菜子さん:
「皆さんが注目する名シーンってあると思うんですけど、私はあえて、シニア1年目の時の世界選手権」

 2012年、羽生選手が初めて出場した世界選手権。結果は総合3位と大健闘でしたが…。

村上佳菜子さん:
「足も痛かったのかな。とても悔しい思いをしていたのをすごく記憶していて、でも『絶対これから頑張る』みたいなのを言っていた姿がすごく今は思い出されて、そこからどんどんどんどん羽生さんが活躍されていったので。あの姿は今でも忘れられない。私の頭の中に焼き付いている姿です」

 記憶にも記録にも残る多くの名シーンを生んだ羽生選手。これからは、新しいステージで名シーンを届けてくれそうです。

羽生選手(19日):
「羽生結弦の理想を追い求めながら頑張っていきます。どうかこれからも戦い抜く姿を応援してください」