
物価や燃料代の高騰は、水族館の経営にも大きな課題となっています。入館料の値上げと併せて進む“節約”について三重県の鳥羽水族館を取材しました。
三重県の鳥羽水族館は、ジュゴンやラッコなど、飼育する生き物の種類はおよそ1200で、日本一を誇る水族館です。

鳥羽水族館の企画広報室長:
「鳥羽水族館で人気者のジュゴンが暮らしている水槽です。動物たちが暮らしている水温は、ジュゴンですと年間を通じて約30度に保っていますが、温度を調整すると大きな電力を消費しています」
【動画で見る】セイウチやアシカたちも“協力”…鳥羽水族館にも物価高騰の影響 値上げや節約に取り組み「春休み」に期待

心掛けているのは、生き物達にストレスを与えず、野生に近い環境で飼育することです。
ウクライナ侵攻を背景とした燃料代や物価の高騰で、必要不可欠な水温管理やエサ代などに影響を受けています。
鳥羽水族館の企画広報室長:
「2021年の1年間で電気代は1億円以上かかっていたのですが、2022年は1年間を通してさらに60%以上上がったというのが現状です。大人の料金を2500円から2800円に改定させていただきました」

こうした状況から、鳥羽水族館では2022年6月に入館料を300円値上げしたほか、館内の生き物たちも“節約”に協力していました。
ショーが人気のセイウチは、エサをサケから価格の安いニシンに変更。変わらず美味しそうに食べているそうで、アザラシやアシカも同じようにエサの変更で節約に協力しています。

館内の照明をLEDライトに変えるなどして、節電も進めています。
しかし節約にも限界があり、鳥羽水族館は春休み期間の来場者の増加に期待を寄せています。
鳥羽水族館の企画広報室長:
「春休みに入って伊勢志摩観光の需要がますます上がってくるかなと期待していますので、ぜひ観光の際には鳥羽水族館にもお立ち寄りいただければと思います」