4月1日から、名古屋市の自転車の放置禁止区域が大きく広がりました。中区の大須では3日、およそ1時間で70台以上の放置自転車が「即時撤去」されました。

 名古屋市中区の大須観音駅近く。3日午前、作業員が歩道に放置された自転車を次々とトラックに積み込みました。事前の警告などがない即時撤去で、およそ1時間でトラック4台分、70台以上が撤去されました。

名古屋市自転車利用課の担当者:
「歩道上に放置自転車が溢れておりますと、歩行者の歩行障害につながることが1番大きな問題だと考えております。障害者の方ですとか、車イスご利用の方につきましても、やはり通りにくいといったお声もいただきますので」

【動画で見る】70台以上を“即時撤去”…名古屋で自転車の放置禁止区域が拡大 放置自転車数全国ワーストで対策乗り出す

 名古屋市によると、2021年度の放置自転車の台数は5718台。2位の大阪市を大きく引き離す全国ワーストワンで、不名誉な状況を脱却しようと対策に乗り出したのです。

 4月1日から自転車の「放置禁止区域」を拡大。これまで栄駅・伏見駅周辺に限られていましたが、大須や矢場町などの周辺まで広がりました。

駐輪場の利用者:
「知らなかったですから、今どうしようかと。ちょっと用事があるだけで、地下鉄の下まで行きたいんですけど、どこに置こうかしらと思って」

 短時間の買い物などでも、自転車を置いて離れると放置となり、撤去の対象になります。

 栄や高岳など、5つの駅近くにあった駐輪場は、利用時間によっては有料になりました。

 1時間ほどの短時間の利用は無料ですが、それを超えると100円から200円ほどの利用料がかかります。

 栄に乗り入れる自転車の数自体を減らす狙いもあるということですが、課題は市民への周知です。

(リポート)
「駐輪場ではなく、歩道に自転車を止めている人がいますね。あちらの女性は、駐輪場ではない歩道に自転車を止めました。そのまま駅の方に向かっています」

 取材中も、駐輪場以外の歩道上に自転車を止めている人が見られました。

名古屋市自転車利用課の担当者:
「歩道が歩きやすい空間になっていただければ、歩行者の方、自転車の方、皆さまにとって使い勝手のいいものになるかなと思っておりますので、そういったところを目指していければと考えております」