東京五輪出場をあと一歩で逃した、岐阜県出身のアーチェリー・大橋朋花(おおはしともか)選手が、JOCの制度を利用して就職した企業や同僚の支援を得て、パリ五輪を目指しています。

 アーチェリーでパリ五輪を目指す、大橋朋花選手。岐阜県出身で、現在は日本特殊陶業で働きながら、トップクラスで競技を続ける二刀流アスリートです。

 岐阜市内にある中高一貫校、聖マリア女学院でアーチェリーに出会いました。地元から五輪を目指すアスリートとして注目される大橋選手ですが…。

【動画で見る】“東京”にはあと1歩届かず…アーチェリーでパリ五輪目指す大橋朋花 再起目指す原動力は“同僚の支援”

大橋選手:
「悔しいだけじゃ言い表せないようなもどかしさ。もう何を目指してアーチェリーをしていいのか分からなかったですし」

 近畿大学4年生の時に出場した東京五輪・代表最終選考会では、3位まで出場権が与えられるところ、4位に終わりました。

大橋選手:
「あの時の景色だったり、あの時の感情というのは、これから先もずっと忘れることがないと思うので」

 あと一歩のところで掴めなかった、夢舞台への切符。その経験が大橋選手を突き動かしました。

大橋選手:
「ここで負けてちゃダメだなと思って。やっぱり悔しい思いをしたこの4番というのは、私しかこの日本の中でいないですし」

 しかし、トップクラスの選手のアーチェリーの道具は、一式で100万円以上になることも。遠征費など様々な費用もかかります。

大橋選手:
「パリに向けて再出発したいというところで、会社に入りながら、仕事をしながらアーチェリーがしたいですとアピールした」

 そこで活用したのが、JOCが実施している「アスナビ」。トップアスリートが競技をしながら仕事ができる環境を整えるための就職支援制度です。

 パリ五輪を目指す大橋選手に声をかけたのは、日本特殊陶業でした。

当時の採用責任者:
「色んな競技のアスリートの方がプレゼンテーションをされて、一番キラキラ輝いていたのが大橋さんで、この子と一緒に働きたいなと思ったのが一番でしたね」

 社会人になり、同僚から応援してもらえる。学生時代とは違った新たな声援が、彼女の背中を押します。

同僚:
「普段見ている分には、普通の社員なのかなって感じもするんですけれど、大会でこういう結果を残しましたと聞くと、こっちも頑張らないとなという気持ちになりますね」

大橋選手:
「こうやってまたパリを目指そうって日々思えているというのは、やっぱり当たり前のことじゃないなと思いますし、道具の面だったり遠征費だったりサポートいただいているので、すごく競技に集中しやすいです」

 その結果、2022年の秋に行われた全日本選手権では準優勝という好成績。パリ五輪へ向け、着実に力をつけていることを証明しました。

大橋選手:
「世界一になりたいという思いでずっとアーチェリーをしてきているので、最終目標として一番ずっと思っているのは、パリ五輪で金メダルというのは、ずっとそれを目標に練習はしています」

 パリ五輪で金メダルという大きな目標に向け、世界選手権やアジア競技大会の代表枠3つをかけて、4月9日まで東京で行われる選考会に挑みます。

大橋選手:
「悔しさをバネにずっとやってきたこの数年間を武器にして、今までやってきたことは間違ったことではないと思うので、楽しくワクワクしながら夢に向かって頑張りたいと思います」