食品など様々な物の値段が上がる中、どのように日々の買い物を工夫しているのか、名古屋市天白区の激安スーパー「タチヤ八事店」で取材しました。

■朝一番は“鮮度”も“安さ”も…タイムサービスを把握する買い物術

 東海地方で20店舗を展開する「タチヤ」の八事店は、2022年11月にリニューアルし、多い日には2000人が訪れる人気の店舗です。

【動画で見る】店員の作業を見て動く人も…激安スーパーに通う“買い物上手”たちのスゴ技「マイかご」は手間いらずで時短に

取材した日はブロッコリーや白菜を格安価格で販売していて、肉や魚に加え、乳製品も安く扱っていました。

午前10時のオープン前、店先には行列ができていました。

先頭に並んでいた土屋由美子さん(52)に、何を買いにきたのか聞きました。

土屋由美子さん:
「お魚のアラがちょっと安くて新鮮なものが手に入るので、量が多くて安いので」

朝一番に来ると、鮮度だけでなく安さも魅力だといいます。

オープンと同時に、土屋さんは鮮魚売場へ向かいました。お目当ては、タイムサービスの「鮭のアラ」です。

この店では“いつ来てもお値打ちに”と、朝一番にタイムサービスを行うこともあります。

土屋さん:
「朝一か夕方か、やっぱりね、お値打ちでいいと思います」

土屋さんは“タイムサービスの時間をきちんと把握”していました。

常連ならではの買い物術です。

■滞在時間2分でミニトマトと卵だけ購入…「買うものがなければ買わない」買い物術

 朝一番に来店した下地美香さん(39)は、青菜の野菜には目もくれず、ミニトマトの売場に直行しました。1パック取ると再び歩き出し、次は卵を1パック。

大きな買い物袋を持参していましたがそのままレジへ進み、わずか2分で買い物を終えました。

下地美香さん:
「余計なものは買わないです。大量に買う時は入らないと嫌だから、大きいものを一応持って来るけど、買うものがなかったから、今日は」

意志の強さも、立派な買い物術です。

■「競争率の高い食材から入手する」買い物術

 洋食店を営む小林宣之さん(53)も、朝一番に店を訪れました。

小林宣之さん:
「新鮮さが命ですから」

朝は客が多く競争率が高いため、希望の食材を入手するのが大変です。小林さんは野菜、鮮魚、精肉売り場を巡った後、もう一度野菜売場へ戻りました。

小林さん:
「これ(野菜)なんかもう本当にどんどんあそこ(スタッフの作業場)から出てくるので、魚はやっぱあそこ(陳列台)にあるやつがなくなったら大体終わりなので。(補充されそうな野菜は)一応見ておいて、後回し」

スタッフの作業を見ながら、野菜は随時補充されると推測。

競争率の高い食材から購入していました。

■店内の配置図を作成した“時短”買い物術

 1人でカート2つをひいて、買い物かご合わせて4つ載せていた神谷忠士さん(47)に話を聞きました。

神谷忠士さん:
「施設(グループホーム)の買い物です」

グループホームの入居者とスタッフ、およそ20人分の買い物といいますが、5分ほどで済ませました。

スムーズな動きができるのには、理由がありました。神谷さんが手にしていたのは、工夫した買い物リストのメモです。

神谷さん:
「並んでいる順番で。果物から野菜から…」

店内の配置を図にしていました。どこで何を買うかをメモしておくことで“時短”になる、見事な買い物術です。

神谷さん:
「10時にきて10時半までには施設に戻ろうかなっていう」

グループホームの入居者との時間を大事にしたいと、ルーティンワークを早く終わらせるよう意識しているといいます。

冷蔵庫に入れる食材の位置も、全て事前に決めているそうです。

■“マイかご”で面倒な袋詰めから解放 赤ちゃんを抱いて買い物する女性

 赤ちゃんを抱っこして買い物に来た柏原里菜さん(28)さんは、乳製品売場でヨーグルトを4つ、買い物かごに入れました。

柏原里菜さん:
「お買い得のヨーグルトが、いつもここに並ぶので」

お値打ち品のまとめ買いはお馴染みの買い物術ですが、たくさん買うと、レジの後で赤ちゃんを抱っこしながら袋詰めするのが大変そうです。

柏原さん:
「このままいけるので。この子もいると結構大変なので」

柏原さんは“マイかご”を使っていました。

自分のかごを持って来ることで、買ったものをレジでそのまま詰めてもらうことができ、手間を省けます。

■子ども食堂で100人以上の食事を準備する女性の買い物術

 ダンボールいっぱいの食材を買った池内和子さん(70)と黒田昭子さん(71)に、使い道を聞きました。

池内和子さん:
「明日のこども食堂の材料です」

およそ110人分の食材だといいます。

黒田昭子さん:
「支援してくださる方がどんどん増えているので、お米を持ってきてくださったり、地域の農家の方は旬の野菜をくださったり」

池内さん:
「3色ナムルをやる予定だったのが、大根いただいたので、カニかまとワカメを入れたナムルにしようってことになった」

もらった食材を積極的に活用し、買い物の量を最小限にする、高い主婦力の買い物術です。翌日の子ども食堂には121人が来て、大盛況だったということです。

■店長「余っちゃうよりいいので」…お値打ちな雨の日を狙う買い物術

 外は雨が降ってきて、山岸ゆみさん(42)が夫と一緒に来店しました。

山岸ゆみさん:
「雨の日に来ると少し安いような気がするんです。雨の日だと来る人が少ないと思って、安くしてるのかな」

雨の日は値引きが期待できるのか、店長に聞きました。

店長:
「やっぱり(雨の日は)お客さんは少ないものですから、朝から各コーナー雨の日特売っていうのをやったり。商品が余っちゃうより、売っちゃう方がいいので」

“雨の日を狙う”。

意外と知らない買い物術です。

■名物「テープ巻き」は逃せない 時間を逆算して訪れる買い物術

 午後4時を過ぎると、タチヤ名物のタイムセール、通称「テープ巻き」が始まります。赤は108円、黄色が162円均一のまとめ売りです。

割引スタートのタイミングで、子供を連れてやってきた宮本衿那さん(28)は、野菜を次々とかごへ入れました。

宮本衿那さん:
「これ狙いです。毎回この時間で、そこの公園で遊んでその後スーパー来るっていう。全部が全部一定に(値段が)上がってるんで、食費が(大変)」

テープ巻きの時間から逆算して行動する、食費を抑える買い物術です。

宮本さんのこの日の夕食は、テープ巻きで買った食材を使って「肉巻きアスパラ」や「ミネストローネ」など全4品。

家族3人分が約1000円でできたとそうです。

■「アレクサ」で家族とリスト共有し無駄を省く買い物術

堀井信秀さん(35)は周りをあまり見ず、店内を巡っていました。

堀井信秀さん:
「最低限の滞在時間で」

“無駄なく必要なものだけ買う”おなじみの買い物術ですが、途中でスマホを取り出し、チェックを始めました。

堀井さん:
「買い物リストを作っていて。アマゾンのアレクサアプリ。アレクサに買い物リストを追加してって。(妻が)『これ見て買ってきて』っていう感じで」

買い物リストを妻とアプリで共有していました。リストは随時更新ができるため、わざわざ夫婦でやり取りしなくても、アプリを見るだけで、いま必要なものをチェックできます。

無駄を省いたハイテク買い物術を駆使する、堀井さんの冷蔵庫を見せてもらいました。

何がどこにあるか、わかりやすくなっていました。使い忘れの心配もなく、足りないものも一目瞭然です。

堀井さん:
「実家で食べ物を無駄にしちゃだめって育てられているんで、少しでも傷まないように全部なるべく使い切って、保存がきくものはストックされていて、コロナとか有事があっても困らないように、保存がきく食材を選んでいます」

2023年2月27日放送