法改正で自転車のヘルメットは、4月から着用が努力義務となりました。着用率をあげようと、岐阜県警が約50年前に放送が始まったアニメの替え歌でPRに乗り出しました。

 自転車のヘルメットは2023年4月から着用が努力義務となりました。法改正から3カ月が経ちましたが、岐阜市の街で着用しているかを聞いてみました。

女性(ヘルメット非着用):
「一応買いました、ヘルメットは。まだ皆さん着けていらっしゃらないので、家に置いてありますけど」

男性(ヘルメット非着用):
「着けなきゃいけないというのは知っていたんですけど、小学生みたいな感じがして」

 岐阜県警と県の最新の調査によると、ヘルメット着用率はおよそ25%。4人に1人しかつけていません。

 ヘルメットの着用率をあげようと、岐阜県警がある計画を始めました。警察の施設で行われていたのは、岐阜県警音楽隊の練習です。

【動画で見る】高齢者を狙い“昭和のアニソン”採用…自転車のヘルメット着用率向上へ 岐阜県警がアニメの替え歌使いPR

 その曲をよく聞いてみると…。

「ヘル ヘル ヘルメット かぶっちゃお~」

 練習していたのはヘルメットの着用を呼びかける歌。50年ほど前に放送が始まったアニメ「カリメロ」の主題歌です。

 カリメロが頭に被った卵の殻をヘルメットに見立て、替え歌でPRするアイデアですが、昭和のアニメを選んだ理由を聞きました。

岐阜県警の田代成樹交通部長:
「私が考えました。命を落とされる方は高齢者が多いんです。私が子供の頃に『カリメロ』というアニメが流行っていまして、(ヘルメットを)かぶっている姿を見て『カリメロ集団だ!』みたいに言っていた覚えがあったので、これ活用できるなという思いで」

 岐阜県内で5年間に起きた自転車の人身事故で、ヘルメットを着けていた人は15.6%ですが、65歳以上に年代を絞るとわずか3.1%と全体を大きく下回っています。

 年代が高い人により興味を持ってもらおうと昭和のアニメを採用。「カリメロプロジェクト」が立ち上がりました。

<振り付け会議>
「実際にかぶったり外したりする動作も入れてほしいですね」
「頭を守る大切さが伝わるような振りとか」
「持ち上げてヘルメットをアピールしたり」

 替え歌に合わせる振り付けも試行錯誤で考えました。

 そして7月7日、「カリメロプロジェクト」が形になる日がやってきました。関市の幼稚園で子供たちが替え歌を披露。ヘルメットを着ける振り付けも覚えてくれました。

岐阜県警の田代成樹交通部長:
「押し付けでなくて進んで皆さんがかぶりたいと思える、『かぶらないと不安だ、怖い』と思えるように、かぶって当たり前にしていきたい」

 岐阜県警はこの替え歌をパトカーやホームセンターで流すなどして、ヘルメットの着用を呼びかけます。