三重県鳥羽市で古くから話されている「鳥羽弁」を後世に残そうと、老人クラブが「鳥羽方言かるた」を作りました。

 8月2日午前、地元老人クラブの会長らが鳥羽市役所を訪れ、市長に「鳥羽方言かるた」の完成報告をしました。

鳥羽市老人クラブ連合会の小林千代太郎会長:
「ふるさとを見つめなおすことに役立ててもらえたらいいなと。少子化、核家族化等で方言が忘れられていく、死語になっていくことが懸念されていて、忘れてしまうことは地域の郷土愛減退にもつながる」

 市内の各地域で古くから話されている「鳥羽弁」ですが、意味が分かる人が少なくなりつつあるため、方言を後世に残そうと作られました。

 読み初めに鳥羽弁が使われていて「を」を除いて全部で45枚あります。

中村鳥羽市長:
「『れんじゃく』わからんな…。13枚わかりませんね、多いな」

 サングラスをかけた太陽の日差しに、険しい顔をする女性が描かれた1枚には「あばばいな 今日は日差しが 強すぎる」と書かれています。

【動画で見る】“あばばい” “つんどる”等…鳥羽市の老人クラブが『鳥羽弁』のかるたを製作 無償で貸し出し文化の伝承に

「あばばい」とは「まぶしい」のことです。海女さんたちが使う言葉で、離島や漁村などでしか使われない方言もあるため、年配の人でもわからないことがあるそうです。

 今でも使われているのが「混んでいる」という意味の「つんどる」や、「親友」を意味する「ほうばい」などです。

 かるたは今後、市内の学校や福祉施設に無償で貸し出され、文化の伝承に使われます。