愛知県長久手市にある愛知淑徳大学の学生が、ジェンダーについての創作劇を作り、披露しました。ジェンダーに対する違和感などを台本に込め、自分たちの言葉で疑問を訴えます。

 8月22日、長久手市の愛知淑徳大学の教室には、真剣に議論する学生たちの姿がありました。

学生:
「わざわざ結婚する年齢とか子供欲しいかとか、個人の自由なのにいちいち聞くなと思いました」

別の学生:
「1個上の女性の先輩が学ランを着ていました」

 ジェンダーについて考える授業で、テーマは男らしさや女らしさ、結婚や性についてなど様々です。

 愛知淑徳大学では28年前に男女共学になったのを機に、全国で初めてジェンダーの研究機関を設置しました。ジェンダーに関する授業や、男女どちらも着られる制服を作るなど、先進的な取り組みを続けてきました。

【動画で見る】性の多様性を劇で表現…ジェンダーをテーマにした創作劇 大学生が日頃の違和感や思いを台本に

ジェンダー・女性学研究所の坂田陽子所長:
「(卒業して)一歩外に出たら、そういう偏見がたくさん残っている。男女とか言っている方が古くて、もう好きなように自分を表現しなさいと言いたいです」

 ジェンダーの授業の一環として行われるのが「創作劇」です。授業でディスカッションした内容をもとに学生たちが自ら台本を書き、ステージで披露します。

4年生:
「台本を書かせていただけるということで、幅広い年代の方に見ていただくことで、ジェンダーに関する知識を深めていただきたい」

2年生:
「それぞれの結婚観とか恋愛観というのを話し合って、人それぞれだということを最終的にアピールしていく形で」

 出来上がった台本には、学生たちが日頃感じているジェンダーに対する世の中への違和感や思いが込められました。

 迎えた当日、会場には続々とお客さんが入り満席となりました。学生たちは自分たちの言葉で、世の中への疑問を訴えます。

<創作劇のセリフ>
「性別だって日によって変えられたらいいのにな」

「ちっちゃい子とか、令和の若い女子とか、適当なレッテルで扱われたくない」

「生理って決して恥ずかしいことじゃないのに、日本はタブーにしすぎなんじゃない」

「私は結婚したくありません。当時同性が好きだった私は、結婚したくても法律上できないんだろうなと諦めていました」

「結局人それぞれ!価値人それぞれ!普通も人それぞれ!」

 ダンスやラップも盛り込んだ個性的な創作劇となりました。

観客:
「面白かったですね。自分でも考えているようなこととか、言われたこととかあって、すごく共感できるし」

別の観客:
「結局変わっていないんだなって。自分たちが子供の時に思っていたことを、今の子たちもそのまま思ってるんだなって。面白かったです。すごく考えさせられました」

4年生:
「(ジェンダーは)私は触れたことがない部分で、ちょっと緊張というか、大丈夫かな、自分にできるかなと不安も大きかったんですけど、自分たちにとってすごく距離感の近い作品作りができたのかなと」

ジェンダー・ダイバーシティ表現演習の刈馬カオス講師:
「この授業を通じて、ジェンダーって自分たちにとって無関係ではないんだ、自分たちも当事者なんだとなりますし、私だけじゃないんだと思って少し心が楽になるような、そういう時間になったんじゃないかなと思っています」