作品の印象をお聞かせください。
人間って面白いなって思いました。愛すべき存在だと。一方で物語の中に、人間の怖さやしたたかさなどが描かれているので、私はこのドラマをある種、ホラーだと思っています。
劇中には未芙由を始め、様々な“ウツボカズラ女”が登場します。さらに、男たちもいろいろな事情を抱えています。ホラーとのことで、一番怖いのは誰だと思いますか?
やっぱり未芙由じゃないでしょうか。一番怖いと思います。あの悪意のなさが、私は人間の怖さってどういうことか描いている気がします。
尚子が未芙由の、そういう一面を開花させたのでしょうか?
未芙由の置かれた状況が開花させたのではないでしょうか。これまで想像もしたことのなかった鹿島田家での暮らしとか、『何が何でも東京に残らなければ』っていう思いとか。未芙由って何かを実現させるために、人を選んで何かを仕掛けたり、最初からターゲットを定めて陥れたりするわけではないんですよね。『これを叶えるためには、この人のここを…』と、ただ自分の欲望に素直なだけで。純粋な分、私は未芙由に怖さを感じるし、実際、近くに未芙由のような人がいたら、ダッシュで逃げます(笑)。
大塚さんはウツボカズラ女を感知できますか?
意外と(笑)。そういうところは冴えている気がします。
では、ウツボカズラ女の見分け方は?
私は言葉という表面的なものよりも、感覚のほうが大事だと思っていて、いくら耳に心地よく入ってくる言葉でも、それを鵜呑みにしないようにしています。一見、ものすごく良いことを言っているように聞こえても、その人自身が醸し出しているものや雰囲気とかみ合っていないときもあると思うので。
尚子について、大塚さんはどんな女性だと思っていますか?
残念ながら、物事をまったく深刻に考えていない人ですよね(笑)。演じる上では、その感じが出るように心掛けています。冷静に考えると、普通じゃ言えないデリカシーのないセリフがたくさんあるんです。尚子はそれを心から良かれと、本当に良いことだと思って言っています。そういうところは、はたから見れば『痛すぎるよ、尚子』と思うんですけど、何不自由なく育ってきた環境ゆえなんでしょうね。だから、人の状況が分からない。今回はノー天気に悪気がなく、親切心からくるぐらいの気持ちで、尚子のセリフを言っています。ただ、尚子もかなり罪深い人だと思います。私は状況を“理解できない”ということが時には罪なことだと思います。
いつまでも世間知らずの尚子は、もしかしたらウツボカズラ女の餌食になってしまいそうな人ですよね?
そもそも尚子にウツボカズラ女の要素はなさそうですよね。彼女に人を利用してやろう、という気持ちもないと思いますし。結果、発言で人を傷つけてはいるけれど、そこに悪意はまったくないので、そういう意味では“良い人”ですよね。困った人ではあるけれど(笑)。
大塚さんと尚子に共通点は?
私は多分、尚子とかけ離れていると思います。よく男っぽいと言われますし。だから尚子の気持ちを理解するのは難しいけれど、今回はあくまで尚子であって、私ではないので。尚子になり切り、彼女の状況や、話が進むにつれて起こるいろいろな出来事に対峙しています。
物語が進むにつれ、尚子はボランティア活動で参加しているNPO法人の代表、吉岡と…。
まだ先々の台本を頂いていないので、どうなるか分かりませんけど…。でも、家庭でいろいろな問題が起こるのに、尚子は何をやっているんだろう、と思っちゃいます。家のことを考えて、子供たちのことをもっと見てあげてって言えるものなら、言いたいです(笑)。
尚子の見どころは?
尚子を風船に例えるなら、自分が赤い風船なら周りも同じ色の風船で世界が成り立っていると思っているような人なんですね。本当は青や黄色だってあるはずなのに。そんな彼女が、未芙由が現れたことで風船は赤い色だけじゃなく他の色もあることに気づくのかどうか。未芙由同様に、尚子の波乱の展開も楽しんでいただけたらと思います。
ところで大塚さんにも“ウツボカズラ女”の要素はありますか?
私は“サバサバ女”なのでまったくないと思います。ウツボカズラ女に関わるのもごめんです(笑)。子供の頃、ウツボカズラが家にあって不思議な植物でした。子供心に『何だか怖いな』と思って距離を置いていました。今もし、ウツボカズラ女に出会っても、子供の頃と同じようにやっぱり近づかないと思います。