一度は長野の実家に戻った未芙由でしたが、憧れの先輩・柿崎との再会でかえって自分の居場所が東京にあると確信することに。そう考えると、柿崎は未芙由の人生に大きな影響を与えた人物と言えるはず。重要なポジションを演じた大和孔太さんをご紹介します。

――第5話で柿崎が意外な形で未芙由の人生に関与しました。台本を読んでの感想は?

僕が柿崎だったら、ああいう展開はグサッとくるでしょうね (笑)。5話は柿崎が未芙由に『楽しかった思い出を大切にしながら、一緒にいよう』と言うものの、彼女にはその言葉が響かなくて、むしろ東京に戻りたいという思いを後押ししてしまいました。柿崎は可哀想ですが、実は僕は未芙由の気持ちのほうが理解できたんです。

――それはなぜですか?

僕も地元の熊本にいた16歳、17歳の頃、将来のビジョンもハッキリしたものがなくて、友達と話すことも『昨日、〇〇だったよね』、『中学校のとき、〇〇が楽しかったね』と過去のことばかりだったんです。“未来”と言えば、明日とか明後日でしかありませんでした。それって柿崎に似ているな、と思って。柿崎の言いたいことも分かりますが、それだけではダメだろうし、僕も上京して未来のことを考えながら仕事をしているので、未芙由のほうが気持ち的には近いと思います。

――柿崎はドラマオリジナルキャラクターとのことで、どんな風に役作りをしましたか?

柿崎は過去をとても大切にしていると感じ、そういう人物ってどういう風に物事を考えるだろうってまず思いました。柿崎は酒屋の息子で、親の跡を継ぐことを当たり前に思っているというか。すでに敷かれたレールの上を歩いているので、自分から壁を壊したり、何かを乗り越えたりする気持ちもさして持っていないのかも…。ただそれは、考える必要性がなかったのだと思います。今回はもう一つ。ひたすらさわやかでいようと心掛けました(笑)。そのほうが、この作品の中でかえって異質な感じに映ると思ったので。

――さわやかさは大和さんの素でいけたのでは?(笑)

いえ、いえ。僕自身、高校生の頃は全然キラキラしていませんでしたから(笑)。単純で、明るくて、いじられキャラで。未芙由の回想シーンで柿崎が『一緒に部活を頑張ろうぜ!』って笑顔で言っていましたが、ああいうところは正直僕にはないです(笑)。

――大和さんは“ウツボカズラ女”っていると思いますか?

誰の心の中にもウツボカズラがいるんじゃないでしょうか。そのことに気づかぬまま過ごせる人もいれば、無意識に開花させる人もいるでしょうし。要は置かれた環境が重要だと思います。

――大和さんご自身の“ウツボカズラ度”は?

ゼロですって言い切りたいですけど…。ウツボカズラ度ってそのとき、そのとき自分が置かれた状況で変動するものだと思います。だから、いまは0%でも1か月後は80%になっているかもしれないですよね。

――最後に、大和さんの目標を聞かせてください。

今はいただいたお仕事に全力で取り組むこと、そこで少しでも結果を残すことが大事だと思っています。月に1度、1か月後の自分、1年後の自分、その先の自分をシミュレーションして、思い描いた未来に近づけるよう、日々鍛錬を怠らないようにと自分を戒めています。夢はたくさんあって、ドラマのポスターに名前が載るようになりたいですし、映画にも出演して舞台挨拶も経験したいです。そして、2年後までには映画の主演という目標も実現させたくて。そうなるために、今すべきことは何か逆算して考えるようにしています。