何も持たず、東京の鹿島田家に現れた未芙由。果たして彼女は自分の望むものを手に入れられるのか。物語はついにクライマックスを迎えます。
約2か月にわたる撮影を終えたのは、8月中旬のこと。キャストの皆さんのクランクアップの様子を紹介します。
メインキャストで最初に撮影終了となったのは、吉岡役の松本利夫さんです。いつものポロシャツ姿でなく、新鮮なスーツ姿で尚子とのやりとりを撮り終えると、「もう少し、撮影が続くと思います。大塚(寧々)さんを始め、スタッフキャストの皆さん、最後まで頑張ってください!」と挨拶。まず大塚さんのことを気遣う言葉に、松本さんが吉岡役に気持ちをしっかり重ねていたことが伝わってきました。
同日、はるか役の玄理さん、幸司役の春田純一さんもクランクアップ。春田さんは、常に深刻そうだった幸司が最後に撮った場面で和やかな表情を見せたことに触れ、「良かったです」とホッとした表情で。玄理さんは以前、インタビューした際、この現場が好き過ぎて、スタッフやキャストの皆さんとの別れを考えると悲しくなると話していましたが、撮影を終えた感想を聞かれ、「こんなに楽しい現場が終わり、皆さんとお別れするのが寂しいです」との言葉を。
杏子役の真木恵未さんは、第6話でこれまでの生き方に決別する場面で撮影を終了。杏子の現状に歯がゆさを感じていたそうで、最後のカットで見せた吹っ切れた表情は、真木さんから杏子に向けてエールのようにも感じられました。
第7話で未芙由と直接対決をし、鹿島田家の中で最初に未芙由の“本性”に気づいた美緒。この場面で撮影を終えた川島鈴遥さんは、「毎回、この現場に来る日が楽しみでしかたありませんでした。スタッフ、キャストの皆さんのおかげです」と感謝の言葉を。
仁美役の国生さゆりさんと、知也役の前田旺志郎さんは、福本家のセットでクランクアップ。前田さんは「最後の場面で、お母さん役の国生さんとじっくり演技が出来て、良かったです」と。スタッフさんに「国生さんと前田さんは、これにて撮影終了です!」と告げられた際、「終わったー!バンザーイ!!」と満面の笑顔だった国生さんですが、挨拶では「とても苦しい役でした」と涙ながらに。難役を精一杯演じたことに達成感のある表情を浮かべ、監督や前田さんと強く握手をしていました。
未芙由役の志田未来さんを始め、大塚さん、雄太郎役の羽場裕一さん、隆平役の上杉柊平さん、久子役の松原智恵子さんは最終回の鍵となる場面で撮影を終了。
このシーンは早朝から夕方まで時間をかけ、撮影されました。リハを繰り返し、一堂が繰り広げるセリフの応酬をどのように展開させるか確認。誰がどこで、どんなテンションでセリフを発するのか…。丁寧に最終回の山場をどんな場面にすべきか練っていきました。いざ本番。未芙由が、尚子が、彼女たちを取り巻く人々がこれまでに何を考え、どう行動し、この場面に至ったのか。緊張感に包まれたスリリングな場面が完成しました。
撮影を終え、上杉さんは「甘ったれた隆平を演じ、いろいろなことを考えさせられました」と語り、松原さんも「この短い撮影スケジュールで、これほどの力作を撮ったことはすごいことだと思います」と。さらに羽場さんは「志田さんが見せる、男よりよほど強い演技がすごかった。対局にいる雄太郎を演じられて楽しかったです」、大塚さんは辛く重い役だった尚子を演じ切れたのは「現場の皆さんの明るさに救われたからです」と、感謝の言葉を。
最後に志田さんは「この現場が大好きです!」と挨拶し、撮影は濃厚な日々で、ともすると未芙由の強すぎるキャラクターに飲み込まれそうになったこともありました、と打ち明ける場面も。それを乗り越えられたのは大塚さん同様、現場の皆さんの心遣いや温かさだったと、現場でのサポートに感謝していました。その後、松原さんがそっと志田さんのもとに。「頑張りましたね。お疲れ様です」と声を掛けていたのも印象的でした。
こうして「ウツボカズラの夢」はオールアップ。最後に撮影された場面で志田さんは周りを圧倒するパワーで未芙由の心情を体現。その演技は圧巻の一言です。冒頭からラストまで驚きの連続となっている最終回(9月30日放送 23時40分~)をお見逃しなく!


