祭人魂 毎週土曜 11:25~放送

伝統ある祭に情熱を燃やす「祭人」に焦点を当て、地元に息づく祭の魅力を浮き彫りにする。祭人魂─古から伝わる「祭」。その土地の「人々」の息吹が感じられ、「魂」が脈々と受け継がれていく

次回放送

#319

2020.11.14放送

愛知・半田市 乙川まつり 前編

矢方美紀さん

愛知県半田市で毎年3月に行われる乙川まつり。
知多半島に春の訪れを告げる祭りとして知られている。
祭り一番の見所は、山車の急坂での「坂上げ」。
この時、若者達が先を争って"一番楫(かじ)"を取りあう。
山車は、高さ6メートル、重量6トン。
そして、見事な彫刻が施されている。
勇壮な祭りが今日まで続いてきたのは、この土地が豊かだった証。
知多半島が豊かな街になったのは、かの豊田佐吉が、
乙川の地木綿を作る工場を開いたことに端を発する。
その後、繊維産業が盛んとなり、豊かな街へと成長した。
その豊かさが祭りの発展にも大きく貢献した。
豊かだったから造れた、芸術品ともいえる山車。
そして、その山車のてっぺんに立つのことが出来るのが
「山本(やまもと)」という役。
一年の行事の重要な役割を担い、一生に一度しかできない祭人にとって「最高の栄誉」。
今年、乙川まつりは秋まで開催を延期。しかしその後、中止が決まった。
長い歴史の中で、はじめての出来事。
ぎりぎりまで開催にこだわった乙川の人たち。
タレント・矢方美紀さんが、乙川の人々の思いを探る。