インタビュー

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小日向美輪子 役 逢沢りな さん

2015.12.15

美輪子はいろいろな問題を起こしていきます。演じていて、いかがですか?
役として、演じ甲斐を感じています。ただ、本当に難しいです。心境の変化が激しく、次々にいろんな感情を表していくので、その時々の美輪子の気持ちを作るのが大変です。
台本を読むのと、実際に演じるのでは違いますか?
最初に台本を読む時は、気持ちをフラットにして“物語”として読むようにしています。毎回、引きこまれるほど魅力的なので、この世界観をそのまま引き継いで、しっかりドラマにしたいと思います。実際に演じているときは、自分の考えている以上の、強い感情を作っていかないとダメだと思っています。読むのと実際に言うのでは、全然違うんです。セリフに出てくる言葉の一つひとつが、普段使わないようなものばかりなので、それを違和感なく言うことや、リアリティを持たせることがこれまた難しくて。読んでいるとき、声に出して言ってみた時と、演じた時と、その度ごとに感じることや発見があるので、こんな台本があるんだ!と驚いています。
これまで印象的だったセリフは?
冒頭では美輪子が言うっていうより、言われることが多くて。問題ばかり起こしていますから (笑)。お母さん(眞澄)とお姉ちゃま(ぼたん)の両方からの“メスネコ発言”はやっぱり印象に残ってますね。『二人から言われちゃった』と(笑)。自分で言うセリフでは“お姉ちゃま”がおもしろかったです。私には兄と姉がいて、二人のことをお兄ちゃま、お姉ちゃまなんて呼んだことがないですから(笑)。

改めて、ドラマの冒頭では美輪子をどんな風に演じていますか?
監督さんから何度も言われたのは、18歳の美輪子をウサギのようにピョンピョンと飛び跳ねるイメージで演じて欲しい、ということでした。無邪気で、10代ならではの怖い物知らずなところがあって…。普通なら『こんなこと、言わないでしょ』ということを当然のようにサラッと言ってしまう感じは、楽しかったですね(笑)。
ご自身の18歳の頃と比べてみて、どうですか?
思ったことをパッと言っちゃう感じは、私もそうだったと思います。そういうところって、“若さゆえ”みたいな面もありますよね。今でも私は結構“毒舌キャラ”なんですけど(笑)、当時も美輪子みたいに、何でもポンポンと言っていたかもしれないです。
美輪子は、多摩留と恋に落ちました。生まれも育ちも大きく違う彼のどんなところに惹かれたのだと思いますか?
多摩留ってすごく天真爛漫なんです。多分、美輪子の周りにいる男性ってスマートな人が多いだろうから、多摩留みたいなタイプと会ったことがなかったんだと思います。しゃべり方や行動ものびのびしていて、新鮮だったのではないでしょうか。

自由奔放な美輪子に似ている部分がありますね。美輪子からすれば親近感があったのかも?
親しみを感じたんだと思います。『意外と自分に似ている』と。
では、ぼたんとの濃厚な姉妹愛についての感想は?
実際の姉との関係を考えると、ここまでベッタリっていうのは想像できませんけど(笑)、演じてみると、すごく心地良いです。お姉ちゃまのことをどんどん好きになっているし、美輪子にしてみれば、“守られている感”がすごくあるから、こんな風に接してもらったら、きっとほっとすると思います。
その一方で美輪子は、大事なぼたんを振り回してしまいます。
美輪子は確かに問題を起こしていきましたが、ただまっすぐ生きているだけなんですよね。思うまま、突き進んでいるだけ。それなのに、美輪子の行動が後々、トラブルを呼んでしまうんですよ。

無意識なトラブルメーカーですね。でも意識していない分、始末が悪いかも(笑)。
結果論ですけど、自分のしたいように生きていることで、最愛の姉が苦しみ、そして悲劇が…、という展開ですからね。
役とはいえ、嵐のようにどんどん問題を起こしていくのは大変では?
頭を抱えるくらい、悩むこともあります。でも、立ち止まっている暇がないほど展開が早いし、あ然とすることばかりなので(笑)。それがかえって、ありがたいです。美輪子のような激しいキャラクターを演じるのは初めてなので、悩むより楽しんじゃおう!という気持ちのほうが今は強いです。どんな役もですけど、結局は自分の心次第、覚悟次第だという気がしています。
強烈なキャラクターを演じてみたいという思いは?
以前からありました。普段の私は、どちらかと言うと押しが弱いというか、控えめな性格なので、一度感情を露わにする役に挑戦したかったんです。もう何年もお芝居をやらせていただいていますが、新しい作品に出るときはいつも緊張するんです。毎回迷路に入り込んでしまって。今回は“ボタバラ”という大迷路で迷ってばかりですけど、この作品で美輪子を演じることで、これまで以上の感情表現ができるようになりたい!と思っています。