この土日は、全国旅行支援の開始と新型コロナの水際対策が大幅に緩和されて、初めての週末となりました。東海3県の観光地も多くの人で賑わいましたが、旅行で訪れる外国人は増えたのでしょうか。

 15日から始まった伊勢神宮の神嘗祭(かんなめさい)。今年収穫した初穂を奉納する「初穂曳(はつほびき)」も3年ぶりに復活し、全国各地から多くの観客が詰めかけました。

大阪からの観光客:
「コロナで来られなかったので3年ぶりです」

愛媛からの観光客:
「パワースポットというか、力がもらえるような感じがします」

 10月11日にスタートしたばかりの全国旅行支援を早速利用した人もいました。

神奈川からの観光客:
「昨日の夕飯でアワビとか伊勢エビを食べさせていただきました。クーポンが付くからちょっと奮発して」

 最大で1万1000円分の割引となる全国旅行支援がスタートし、初めての週末。伊勢神宮周辺の飲食店にも、その恩恵があったようです。

【動画で見る】伊勢や高山に国内外から多くの人…全国旅行支援開始と水際対策の緩和後初の週末 名古屋は外国人観光客少なく

飲食店:
「クーポンがあるから来るというお客さまも中にはいらっしゃいます。とても助かっています、ありがたいです」

別の飲食店:
「だいぶ旅行者の方たちが増えています。(全国旅行支援が)始まってからちょっと賑わいが戻ってきたという感じです。効果大です」

 16日の岐阜県高山市も、全国旅行支援を利用した観光客が多く訪れていました。

滋賀からの観光客:
「ありがたく使わせていただきました。その分お土産を何か買います」

千葉からの観光客:
「1泊5000円の宿だったんですけど、40%引きとクーポンで実質2000円くらいです」

朝市の店員:
「こういう所はやっぱり観光やで、お客さんが来んと何もならんもんで」

 国内だけでなく、コロナの水際対策緩和の効果もあり、外国人観光客の姿も目立ちました。

アメリカからの観光客:
「高山が大好き、私たちの第二のふるさとです。ついに日本に、高山に戻ってこられて良かったです」

 アメリカ、コロラド州に住む男性は、10回目の訪日。久しぶりに日本を訪れたそうですが、記録的な円安で財布の紐が緩んでいるといいます。

アメリカからの観光客:
「高山の経済のためにもっとお金を使いたい。(円安は)日本人にとってはつらいけど、われわれ旅行者にとっては素晴らしいことです」

 名古屋では3年ぶりに「名古屋まつり」を開催。信長・秀吉・家康の三英傑が名古屋の街を練り歩き、行列には2日間で計約68万人が詰めかけました。

 名古屋城では、ちらほらと外国人観光客の姿もみられましたが、高山とは違って、まばらでした。

イギリスから来た人:
「日本に住むために来ました。訪日することが簡単になったのは、とてもいいことだと思う」

メキシコから来た人:
「息子を訪ねてきました。息子には2人の小さな娘がいて、1人は先月生まれたばかりです。名古屋は美しい街だね」

デンマークから来た人:
「2週間前に来ました。日本語を勉強しています」

 観光だけが目的で訪れた外国人は少なく、話を聞いた6組のうち5組は、日本に親族が住んでいる人や、仕事や勉強で訪れていた人でした。

 多くの外国人が訪れる大須の免税店でも、海外からの観光客は少なく、店内にいたのはほとんどが技能実習生です。

免税店・アッキーワンの店長:
「外国人の方自体は今年度に入ってから徐々に増えてきて、大勢おみえになられているんですけども、観光客は1日1組、多くても2組くらいですかね」

 店によると、東京や関西方面の店舗では観光目的の外国人が目立ち始めているものの、名古屋は増えていないといいます。

免税店・アッキーワンの店長:
「まだ純粋な旅行者さまというのはそこまで来ていないというのが現状です。早く以前通りに戻ってくれることを願っていますけれども、徐々にという形だとは思います」