新型コロナの感染拡大が続く中、愛知県では1月27日時点で、自宅療養者数が過去最多の2万4693人となりました。もし自分が感染してしまったらどうなるのか、自宅療養者の1人にコロナ感染の実体験を伺いました。

 現在、名古屋市内で自宅療養している高橋さん(仮名・サービス業の20代女性)。

高橋さん:
「しんどかったのは38度の熱と、声は変わらずただ喉が本当に痛い」

 発端は前の週に起きた発熱などの症状で、PCR検査を受けようと病院を探しますが、ここで困難に直面したといいます。

高橋さん:
「発熱していると、受け付けてもらえる病院とそうでない病院がある。(保健所から)自分の住んでいる地域の病院に、基本的に行ってくださいという形で。PCR検査をしている病院となると、なかなか見つけるのが大変という状況でした」

 この3つの条件を元に自分で病院を探し、電話をかけた4つ目の病院でようやく予約が取れました。

高橋さん:
「すんなり受診できると思っていたので、医療機関もすごく大変なんだなというのを目の当たりにしました」

 検査で陽性が判明した後は、保健センターからの指示で自宅療養に。喉の痛み止めや解熱剤などが処方されました。

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高橋さん:
「熱は1日で下がって、喉の痛みは3日くらいという感じでした」

 順調に回復する一方、「自宅から一切出ないように」と指示されました。

 高橋さんは1人暮らし。食事の手配が困難な場合は、申請をすれば保健センターから1日1回、弁当・レトルト食品・お茶など、3食分を玄関先まで届けてくれます。

高橋さん:
「すっかり元気にはなっている。3日くらいで治ってしまったので、正直時間を持て余しているというのはあります」

 取材した日は自宅療養8日目。テレビや映画を見たり、ヨガなどをして持て余した時間を過ごしているといいます。その自宅療養の中で、毎日必ずやることがあります。

高橋さん:
「はい・いいえで答えて送信するだけですけど。症状や息苦しさ、咳・鼻水・倦怠感、そういった健康状態を入力する」

 保健センターから届くメールから、サイト上で今の健康状態など9項目をチェックします。これを保健センターが一括管理し、症状が悪化する可能性がある人を必要に応じてケアしているそうです。

高橋さん:
「実際に感染してみて、家全体を消毒するというのはしましたね。ドアノブを拭いたりだとか、それこそご飯を食べる前は家にいたとしても手洗い・うがいをしたりとか、より気にするようになりました。予防していてもなるものはなるんですけど、それを踏まえて予防は絶対にしないといけないなと思いました」

 実際に感染が確認されたらどうなるのか、名古屋市の流れを確認します。

 まず医療機関から保健センターに陽性者の届け出がされた後、電話調査があります。

 電話調査では、名前、連絡先、今滞在している場所、症状、基礎疾患、ワクチン接種の有無などが聞かれます。また高齢者や障がい者施設に属する方など、一部の方は行動歴が確認されます。その上で、自宅療養か、ホテル療養か、入院するのかが決まります。

 現在は多くの方が自宅療養になりますが、食事やトイレットペーパーなどの生活必需品を自分で調達できない人には、無償で送ってくれたりもします。ただし物資はかなり不足しているといいます。

 体調が悪くなった場合の緊急連絡先も教わり、1人あたり10~30分ほどで電話調査は終了です。

 自宅療養の期間は「発症から10日間」かつ「症状が改善して3日間」となっています。看護師などエッセンシャルワーカーも同様です。

 スマートフォンがある人は、アプリで健康状態を報告して管理しつつ、必要に応じて電話などで健康観察を行い、療養期間が終了すると元の生活に戻るという形です。