2022年3月、愛知県幸田町で建物20棟以上に被害をもたらした大規模な火災は、瓦礫の撤去はまだ進んでいませんが、クラウドファンディングなどで支援の輪が広がっています。

 積み重なる瓦礫、骨組みだけとなった建物…。今も残る火災の爪痕です。

 2022年3月27日、JR幸田駅近くで発生した火災。火は商店街や住宅を飲み込み、10時間以上にわたり燃え続けました。

「3軒位燃えてて燃え移るのが早かった」住宅等15軒焼け消火活動約13時間 風と空気の乾燥で燃え広がったか

 ケガ人はいなかったものの、建物の被害は全焼15棟を含む22棟に。

都築さん:
「衝撃ですよ、僕からしたらね。街の風景が一変しちゃったので。トタン屋根のトタンが、こういうのが飛んでいっちゃうんですよね、きっと」

 幸田町商工会の副会長・都築数明さん(50)。

都築さん:
「正直言ってね、こんだけ僕じっくり見たことなかったんですよ。見れなくて、やっぱり」

 道路にはみ出ていた瓦礫は端に寄せられてはいるものの、撤去は進んでいないのが現状です。

 その理由は…。

都築さん:
「(総額)4000万円近いという話は聞いてますけどね」

 瓦礫撤去にかかる費用は住民の自己負担。幸田町には補助する条例がなく、1件あたりの撤去費用は少なくとも100万円。最大1000万円とも見積もられています。

都築さん:
「すごい何か嫌な気持ちとね、何とかしなければいけない気持ちが入り交ざっているような感じが。たぶんみんな町民はしていると思いますよ。なんとかしたいですね、ほんと」

 生まれ育った地元をなんとかしたい…。火災から1か月のタイミングで都築さんらが始めたのがクラウドファンディングです。目標金額は600万円。

 返礼品には、オリジナルのTシャツやステッカーを用意しました。

 被害を免れた店も取り組みに賛同しています。

焙煎処reigencoffeelaboの山本さん:
「返礼品はこちらの『駅前通りブレンド』。深煎りのコロンビアをベースにした、ちょっと苦めのコーヒーを作りまして」

 商店街全体での後押する、地元の想いが詰まったクラウドファンディング。しかし、5月末の締め切りを前に集まった金額は、目標の10分の1ほどと厳しい状況です。

 一方、心強い味方も…。

幸田駅前書店の藤城さん:
「私もやれることはちょっとご協力というか、お手伝いしていきたいなと」

都築さん:
「小さな貯金箱がどんどんいっぱいになっちゃう」

 駅前の書店が募金箱の設置に協力してくれました。

 すると地元の商店街だけでなく、近隣の岡崎市や蒲郡市などからも「置かせて欲しい」との声が。およそ30店舗に設置された募金箱に、すでに75万円以上が集まっています。

 復興に向け、三河全体で広がる支援の輪。

都築さん:
「ここの瓦礫とかがなくなって、風景が変わるまでが一区切りかなと僕は思っていますので。また協力よろしくお願いします」