27日、愛知県幸田町で火災が起き、幸いケガ人はいませんでしたが、住宅など15軒が燃えました。あっという間に広がったという炎…なぜ被害が拡大したのでしょうか。

(リポート)
「発生から丸一日近くが経とうとしていますが、まだ煙が出ていて消火活動が続けられています。この辺り、かなり焦げ臭いにおいがします」

 散乱する焼け落ちた屋根。火災の発生から一夜明け、広がった焼け跡がその凄まじさを物語っています。

 火災が発生したのは27日午後2時半ごろ。JR幸田駅近くの幸田町芦谷の住宅地から火が出ていると消防に複数通報がありました。炎は瞬く間に広がっていったといいます。

近所の人:
「すごい怖かったですよ。消防の無線が入って慌てて帰って来たけど、3軒くらい燃えとったもんね。それから時間は早かったよ、燃え移るのがね。壁一枚の長屋だったもんね」

別の近所の人:
「一回下火になったんですよね。夕方にまたバァーっと(火が)上がってきて」

 消火活動はおよそ13時間にわたり続けられ、28日未明になって、ようやく火が消し止められました。幸いケガ人はいませんでしが、住宅や店舗、空き家など15軒が焼け、少なくとも4軒が全焼しました。

 焼け焦げた和菓子店に残された、商品とみられる和菓子が…。周辺は食料品店や洋服店が立ち並ぶ古くからの商店街。空き家も点在し一部は棟続きになっていて、密集した建物が燃え広がった要因の1つとみられています。

近所の人:
「(風は)昨日もこんな感じで、もう少し吹いていたかな。(Q.昨日の方が風が強い感じ?)そうですね」

 春特有の天候も炎が広がった原因なのでしょうか。

 札幌市消防局の実験映像を見ると、春の乾燥した空気と夏の湿った空気を再現した空間の中に枯草を置いて火をつけると…乾燥した天候ではすぐに火が付き、燃え広がります。

 名古屋地方気象台によると、出火当時、隣接する岡崎市で観測した風速はおよそ4mでしたが、乾燥した空気も相まって燃え広がった可能性があります。

近所の人:
「窓を開けてみたら火の勢いがすごかった。火が出てから(風が)強くなったような気がする」

 15軒にも広がった火災…。警察によると、火元は空き家の美容院とみられるということで、消防と共に出火の原因などを調べています。