神社で相次ぐ賽銭泥棒を受け、名古屋の会社が人工知能=AIを使って不審者を検知するシステムを開発しました。

 名古屋市港区の七島神明社(ななしましんめいしゃ)。

七島神明社の氏子総代:
「これが今(鍵を)かけてあるんですが、前は大きい鍵でやっていたのを切られている。(被害は)今までで5回だと思います」

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 関係者が頭を悩ませてきたのが、賽銭泥棒の被害です。

 愛知県内では2021年、未遂も含めた被害が150件報告されていて、神社では防犯カメラを設置していましたが…。

七島神明社の氏子総代:
「(これまでは)被害があってから、うちらの耳に入るまでに時間がかかっていて。防犯カメラを見ても(データが)上書きされちゃって、前のものが消えちゃっているというパターンがずっとありましたね」

 そこで先日、新たに導入したのが、AI=人工知能を搭載した防犯カメラ。その名も「賽銭泥棒検知AIシステム」。

 名古屋のセキュリティー機器販売会社のトリニティーが開発しました。

トリニティーの担当者:
「賽銭泥棒は、例えば横に回ってここから引き出したり、後ろに回り込んで影に隠れて賽銭を取って行ったりというような、ちょっと変わった行動をすることが多いです。こういった不審な動きをすると、AIが判別をしてLINEに通知が瞬時に飛んでくるというシステムになります」

 AIが不審な動きをする人を検知すると、登録者のLINEにその瞬間の画像が通知される仕組みです。

 開発した会社によれば、賽銭泥棒の行動パターンには特徴があり、賽銭箱の背面や側面にある引き出しのカギを壊し、抜き取るということです。

 こうした動きは参拝者とは異なっていて、不審な動きをする人をAIが判別し、LINEに通知が届きます。

 設置後、試しに賽銭箱の前で不審な動きをしてみると…わずか15秒ほどでLINEに通知が届きました。これには神社の関係者も納得の様子です。

七島神明社の氏子総代:
「すごいというより、何か未知の世界みたいな感じですね。絶対このお宮さんは自分たちで守るんだ、次に引き継ぐんだということで、(賽銭泥棒を)阻止したいですね」