愛知県東郷町にある認定こども園で、保育士4人が園児に対し、人格を否定したり脅したりするような発言を繰り返していたことがわかりました。保護者説明会で明かされたのは、有り得ない発言の数々でした。

 2023年4月、愛知県東郷町に開園した認定こども園「太陽わごうこども園」。東郷町などによりますと、8月上旬、1歳児のクラスを担当する4人の保育士が、園児に対し暴言を浴びせる不適切な保育を繰り返していたといいます。

 9月10日に開かれた保護者説明会で明かされたその内容は、有り得ないものばかりでした。

<保護者説明会での園側の説明>
「お子さまの名前に続けて『嫌われ者はここ』とか『本当にこの子嫌だ』とか『本当に腹立つこの子』とか『うちはあんぽんちんが多い』『いい加減にして帰りなさい』『頭ぎゅんするよ』とか、保育教諭からそれを言われた子供からすれば、子供の人格を否定する言葉に分類される不適切発言に該当いたします」

 まだ1歳の園児の人格を否定し、危害を加えることを示唆する脅しのような言葉も確認できます。8月、保護者から町に対してこうした発言を録音した音声データが提供されたことで、問題が発覚したといいます。

 園を運営する法人の理事長は、取材に対し「4月に開園したばかりで、職員への指導教育ができていなかった」とコメントしています。

【動画で見る】1歳児クラスで「嫌われ者はここ」こども園で4人の保育士が園児に暴言 理事長「4月に開園したばかりで…」

 保護者の間で、園への不信感が広がっています。

保護者:
「先生も業務内容が負担になって、そういうことがもし起きているんだったら、先生だけの責任じゃなくて園の責任もあるのかなと。あることは正直に話してほしいというのが本音。返答がくるのにものすごく時間がかかるので」

 問題のあった1歳児クラスに子供を通わせている保護者からは、改善を求める声が上がりました。

問題があったクラスの保護者:
「転園できるなら今すぐ転園したいという人がいっぱいいるんですけど、『(どこもいっぱいで)無理です』と町から言われているので。受け皿がないからみんな通わせているので、子供たちの安全だけは守ってほしい」

 運営法人によると、暴言を繰り返した4人とこの状況を放置した1人、あわせて5人の保育士は既に全員が自主退職しているということです。

 聞き取り調査に対し、担任同士の人間関係から、1人の保育士のやることに逆らうことができなかったという説明をしている保育士もいるといいます。

保護者:
「(保育士を)私は信頼してたので、こういうことが分かってすごく残念。ちょっと口調がキツイなと思うことはあったんですけど。保護者説明会に関しては包み隠される感じで、全然親が納得するような話がなかった」

 退職した保育士からは、保護者への説明や謝罪の申し出はないということです。