【インタビュー】Vol.6 雨宮真也役-河井青葉さん

7月28日 更新

――まずは、真也の役作りについて教えてください。
 実際にこういう問題(ネグレクト)を抱えている方がいる中、子どものいない自分にとっては、今まではニュースなどで“見ている側”でした。繊細な問題ですので、今回の役をやるにあたり、どう演じたらいいのかというのは常に探りながらやっています。真也は、すごく自分の痛みに敏感な人という印象で、トラウマも抱えていますし、どの辺りまで葛藤や絶望感を出したらいいのか、そのさじ加減が難しいですね。途中までは、視聴者の方からすると悪役なので、キャラクターとして悪役にならないように気を付けていました。
ドラマの経験があまりなかったですし、中でも昼ドラはすごくセリフが多くて、撮影の方法も独特で、日々、その洗礼を受けています。最初は、3~4ページの長ゼリフを1回で撮るということに苦労しました。セットごとに数話のシーンをまとめて撮るので、その前後を確認しながらという作業を大事にしています。

――真也が律に言った「誰にでも優しい男が一番残酷なのよ」というセリフが、これまでの真也の人生を象徴しているようで印象的でした。
 真也はそういうことには気付いているんですけど、目先の自分の寂しさに弱いんですよね。だから、それを支えてくれるパートナーが現れてくれるといいですよね。それには真也の成長が必要だと思います。真也には、助けてくれる人は周りにすごくたくさんいるんですよね。みんな、おせっかい過ぎるくらいおせっかいなので(笑) 幸せになれそうで、うまくいきそうなのに、全部自分で壊していくんです。見ていると、すごくもったいないですよね。真也は、毎回みんなのことをはねのけてるんですけど、律も、恭子さんも、環も、絹江さんも、隆も、みんな真也のことを心配してくれて家やお店に来てくれるんです。それぞれに対応が違うので、その辺りを気にかけていただけたらと思います。
――2人の息子、律と路加を演じる高杉真宙さん、山口祐輝くんは、一緒にお芝居されていかがですか?
 路加は、かわいいし、面白いですね。ものすごい“陽”のエネルギーに、毎回、心を持っていかれそうになって、お芝居の中でも、どうしたって跳ね返すのがつらくなるんですよ。モテそうですよね(笑) その気にさせるのが上手なんですよ(笑) 律は、まるで原作の漫画から抜け出してきたような。あんなに性格がよくて顔がよくて、ちょっとくらいダメなところないのかなと思ったりするんですけど、今のところ見当たらないですね。

――真也さん、律、路加が3人並ぶと、目の辺りがよく似ていて血の繋がりを感じます。
 撮影マジックだと思いますよ。でも、お父さん(和田聰宏)とは似てる気がしますね。こんなに大きい子どもがいる役は初めてなので、一緒に暮らしてはないですけど、ちゃんと親子というのが見えていればいいなと思います。
――この先、真也にはどうなって欲しいですか?
 みんなで家族みたいにというのは無理だとしても、前向きに路加と、恭子さんたち家族と、ちゃんと自立して路加を育てていけたらいいなと思っています。

――最後に、視聴者の方にメッセージを。
 真也自身は繊細で複雑な問題を抱えていますが、人との関わりによって、どれだけ辛い思いを抱えている人でも少しずつ変わっていけるという、人間の成長が描かれている物語だと思います。真也だけでなく、みんなそれぞれ問題は抱えていますが、自分次第で少しずつ変わっていける。大きな成長ではなくても、この“ちょっとした成長”がポイントだと思っています。ついに終盤ですが、その結末がどうなるかは見ていただくとして、前向きな気持ちになれる作品だと思います。

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