リニア中央新幹線のトンネル工事によって生じる大量の残土について、処分場を設置するよう求めたJR東海の打診を、岐阜県御嵩町が拒否していたことが分かりました。

 JR東海は、御嵩町内のトンネル工事で発生する残土について、町が所有する土地を購入し、処分場にする計画を示していました。

 この計画について御嵩町は今年5月、JR東海に対し拒否する意向を伝えたということです。

 JR東海は、残土に自然由来のカドミウムなどの重金属が含まれているため、周辺に漏れないよう遮水シートで包み土をかぶせる対策を講じると説明。

 しかし御嵩町は、JR東海の説明では「環境保全対策が不十分」と判断したということです。

 こうした中、可児市では8日、リニア中央新幹線で可児市と名古屋駅を結ぶトンネルの掘削工事を前に安全祈願祭が行われました。

 この「第一中京圏トンネル」は、長さおよそ34.2キロ。リニア中央新幹線で2番目の長さです。

 安全祈願祭に出席したJR東海の執行役員は、御嵩町が残土の受け入れを拒否する意向を示したことについて…。

JR東海の新美執行役員:
「『拒否をする』という話があったかと思いますが、そういったことではなくて、具体的にどういった形で対策土を置いていくのかということの懸念が、町の方にもあると受け止めております。したがいまして、もう少しこれからも具体的にどういったところにご心配があるのかということをしっかりと話をしながら、引き続き協議を進めていきたい」

 御嵩町は、JR東海からの新たな提案を待ち、今後の対応を検討する方針です。