愛知県春日井市の高蔵寺ニュータウンに、大垣共立銀行の新しい支店がオープンしました。この支店は、通常の支店と異なり、介護用品のレンタルや購入ができる店舗が併設しています。

 異なる業態のサービスを備えた銀行の店舗。地方銀行が生き残りをかけた戦略で、東海地方でも様々な店舗が生まれていました。

 春日井市の高蔵寺ニュータウンで団地の一角に、23日、オープンしたのが、大垣共立銀行の新しい支店です。一般的な銀行と変わらないように見えますが…。

 店舗の中には、車いすや歩行を助ける杖、そして介護用のベッドも。この支店には、高齢者向けの介護用品などをレンタルしたり販売する店舗が併設されています。

 本来の銀行とは異なるサービスを提供する狙いは…。

OKB大垣共立銀行の境頭取:
「高齢の方も相応にいらっしゃる。それぞれのライフステージに合わせたサービスを、このニュータウン支店から発信したい」

 1968年から入居が始まった高蔵寺ニュータウン。時代の流れとともに高齢化が進み、今は住民のおよそ35%が65歳以上の高齢者です。

 出店する地域の客層に合わせ、新たなサービスを提供する「銀行+α」。今、各地で増えています。

 日進市にある大垣共立銀行あかいけ支店。ここに併設されているのは、本格的なスポーツジム。広々としたヨガスタジオもありますが、ATMの隣には女性専用のコインランドリーも併設されています。

 この場所は3年前に開業した「プライムツリー赤池」の真向かい。このエリアは再開発などで人口が増加していて、若いファミリー層が多い地域。これも客層に合わせた「銀行+α」です。

 一方、名古屋市内には…。

 名古屋市千種区の十六銀行今池支店は、繁華街に近いため、需要が高いコンビニを併設しました。

 十六銀行は他にも、昭和区の名古屋市立大学病院近くに、マンションを併設した桜山支店の出店を計画。住宅需要が高いエリアで顧客を取り込む戦略で、2022年にオープンする予定です。

 こうした「銀行+α」の店舗を今、増やしている理由について十六銀行の担当者は、「ネットバンキング」の普及をあげています。

 インターネット上で口座を管理できる「ネットバンキング」の登場で、地方銀行に口座を作ったり、出入金に訪れたりする機会が減少していて、支店に付加価値をつけることで、日々の生活の中で銀行に足を運んでもらおうという生き残りをかけた戦略でした。

OKB大垣共立銀行の堺頭取:
「店舗はお客さまとの接点としての役割は残る。その中で提供するサービスは、旧来の銀行業務にとらわれることなく、色々なところと連携をしながら対応していくことになると思います」